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テザリングで充電減る!5Gや発熱の原因とバッテリーを守る設定

バッテリー残量が20%になり焦る様子とテザリングの電池消費の謎

外出先でカフェに入り、さっそくPCを開いてスマホのテザリングをオンにする。ノマドワークや出張中の移動時間には欠かせない光景ですが、作業に没頭していると「あれ、もうバッテリーが20%しかない?」と焦った経験、みなさんにもあるのではないでしょうか。

検索窓に「テザリング 充電減る」と打ち込んで、解決策や原因を探している方は、おそらく「なぜこんなに減るのか」「どうすれば長持ちさせられるのか」という根本的な答えを求めているはずです。特に最近の5GスマホやiPhoneを使っていて、発熱の凄さに不安を覚えている方も多いでしょう。

この記事では、ワイヤレス技術にのめり込んで検証を重ねてきた私が、テザリング時の激しいバッテリー消費の技術的なメカニズムから、明日からすぐに実践できる具体的な設定、そしてバッテリー寿命を延ばすための長期的な運用戦略まで、余すことなくシェアしていきます。

  • テザリング機能がスマホのバッテリーを激しく消費する技術的な理由
  • Wi-Fi、Bluetooth、USBそれぞれの接続方式による電池持ちの違い
  • 5G通信や設定が電力消費に与える影響と具体的な対策
  • バッテリー劣化を防ぎながら快適に通信環境を維持する運用方法

テザリングで充電減る主な原因と仕組み

「動画を見たりゲームをしたりしている時よりも、テザリング中の方が圧倒的に充電の減りが早い気がする…」。その感覚、実は技術的に見ても正解なんです。テザリング中のスマートフォンは、単にデータを受信するだけの「端末」ではなく、基地局からのデータをPCなどの子機へ右から左へと受け渡す「ルーター(中継機)」として、極めて負荷の高い処理をこなし続けています。まずは、画面の裏側で起きている「電力ドカ食い」のメカニズムを紐解いていきましょう。

基地局からPCへデータを中継するスマホの高負荷な処理イメージ

5G通信の利用で消費電力が増加

最新のiPhoneやAndroid端末を使っている方で「5Gになってから電池持ちが悪くなった」と感じているなら、その犯人は十中八九「5Gのネットワーク構成」にあります。

4Gと5Gを同時に掴む「NSA」の罠

現在、日本国内で普及している5Gエリアの多くは、4Gの設備を一部流用して構築された「NSA(ノンスタンドアローン)」という方式を採用しています。これがバッテリーにとっては少々厄介な代物なんです。

NSA方式では、スマートフォンは制御信号(コントロールプレーン)を4G LTEでやり取りしつつ、肝心のデータ通信(ユーザープレーン)を5Gで行います。つまり、スマホ内部では「4G用の無線回路」と「5G用の無線回路」が常にデュアルで稼働し続けている状態になるわけです。エンジンを2つ積んで走っているようなものですから、当然、通信時のベースとなる消費電力は跳ね上がります。

スマホが4Gと5Gの2つのエンジンで走行しバッテリーを消費するイメージ図

頻発するセルサーチとハンドオーバー

さらに問題なのが、5Gエリアの「ムラ」です。5G(特に高い周波数帯)は直進性が強く、建物の陰やエリアの端っこでは急激に電波が弱くなる性質があります。テザリング中に移動したり、電波が不安定な場所にいたりすると、スマホは「より強い電波」を求めて基地局を探す「セルサーチ」という処理を頻繁に行います。

この「探す」という行為は、モデムチップに最大出力を要求するため、バッテリーを猛烈な勢いで消費します。「アンテナが立ったり消えたりする場所」でのテザリングは、バッテリーにとって最悪の環境と言えるでしょう。

端末が発熱しバッテリー劣化を招く

テザリング中にスマホを触って「熱っ!」と驚いたことはありませんか? 場合によっては「高温注意」のアラートが出て通信が止まってしまうこともあるかもしれません。この「発熱」こそが、充電を減らすだけでなく、バッテリー寿命そのものを縮める最大の要因です。

3つの熱源による複合的な温度上昇

テザリング中のスマホ内部では、以下の3つのセクションが同時にフル稼働し、それぞれが熱を発しています。

スマホ内部のRFモジュール・SoC・バッテリーが発熱し容量が劣化する仕組み

熱源 発熱の理由
RFモジュール(通信部) 遠くの基地局へ電波を飛ばし、同時にWi-FiでPCへ電波を飛ばすため、パワーアンプが発熱します。特に電波が悪い場所では出力が最大化されます。
SoC(CPU/チップセット) 受信したパケットの宛先を書き換える「NAT処理」や暗号化・復号化の処理を常に行うため、プロセッサが高負荷状態になります。
バッテリー(電池) テザリングという高負荷により大量の電流が引き出される際、内部抵抗によってバッテリー自体が自己発熱します。

熱による「化学的劣化」の進行

リチウムイオンバッテリーは、化学反応で電気を生み出していますが、45℃を超えるような高温環境は大の苦手です。高温状態が続くと、バッテリー内部の電解液が分解されたり、電極に不要な膜ができたりして、電気を蓄える能力そのものが失われていきます(これを容量劣化と言います)。

「テザリングを毎日使っていたら、1年も経たずにバッテリーがへたってしまった」というケースは、単なる使いすぎではなく、この熱によるダメージが蓄積した結果であることが多いのです。

参考情報として、Appleの公式サイトでも、極端に高温な環境(35℃以上)での使用はバッテリー容量に回復不能な損傷を与える可能性があると明記されています。
(出典:Apple公式サイト『バッテリーのパフォーマンスを最大化する』

iPhoneの低電力モードと挙動

iPhoneユーザーの中には、バッテリー消費を抑えるために、コントロールセンターから「低電力モード」をオンにした状態でテザリングを行っている方もいるかと思います。一見、理にかなった対策に見えますが、実はこれが原因で「通信が遅い」「すぐ切れる」という別のストレスを生んでいる可能性があります。

処理能力の制限によるスループット低下

低電力モードを有効にすると、iPhoneの頭脳であるSoCのパフォーマンスが制限されます。普段のWeb閲覧なら気になりませんが、テザリングのように「高速でパケットを処理し続ける」作業においては、この処理能力の低下が通信速度のボトルネックになることがあります。

同期停止による「詰まり」感

また、親機(iPhone)が低電力モードになると、接続されている子機(iPadやMacなど)に対しても「今は省データモードだよ」という信号を送る場合があります(iOSのバージョンや設定によります)。これにより、子機側でのクラウド同期や画像の読み込みが一時停止され、ユーザーからすると「あれ、ネットが止まった? 遅い?」と感じる原因になります。

私の場合、Web会議などの重要な通信を行う際は、バッテリー消費を覚悟の上で、あえて低電力モードはオフにしています。その方が通信が安定し、結果的に短時間で作業を終えられるからです。

基地局との距離や電波強度の影響

「街中のカフェでは全然減らないのに、キャンプ場や地下鉄でテザリングすると一瞬で充電がなくなる」。この現象には、スマートフォンの「送信出力制御(TPC)」という機能が深く関わっています。

「叫ぶ」か「ささやく」かの違い

スマートフォンと基地局の通信は、人と人との会話に似ています。相手(基地局)が近くにいれば、小声(低出力)で話しても通じます。しかし、相手が遠くにいたり、壁の向こうにいたりする場合(弱電界)は、大声(高出力)で叫ばなければ声が届きません。

電波の強度が弱いエリアでは、スマホは接続を維持するために、モデムの送信パワーを限界近くまで上げます。これがバッテリーを強烈に消費します。さらに、Wi-Fiテザリングの場合、子機(PCなど)との距離が遠かったり障害物があったりすると、Wi-Fiチップ側の出力も上がります。

つまり、「電波が悪い場所」でのテザリングは、スマホが「基地局に向かって叫び」「PCに向かっても叫ぶ」という二重の全力疾走状態になるため、バッテリー残量の減りが加速するのは物理的な必然なのです。

電波が弱い場所でスマホが叫ぶように送信パワーを上げているイラスト

バックグラウンド処理の負荷

意外と見落としがちなのが、テザリング機能以外の「バックグラウンド処理」による電力消費の底上げです。

スリープに入れないスマホ

通常、スマホを使っていない時(画面オフ時)は、「ディープスリープ」や「Dozeモード」と呼ばれる省電力状態に移行し、CPUの活動を最小限に抑えます。しかし、テザリングをオンにしている間は、常にデータの交通整理を行わなければならないため、スマホは完全に眠ることができず、常に「覚醒状態」を維持する必要があります。

裏で動くアプリたちの影響

この「覚醒状態」に乗じて、SNSの通知取得、位置情報の更新、アプリの自動アップデートなどが裏で活発に動いてしまうことがあります。テザリングの通信負荷に加えて、これらのバックグラウンド処理がCPUリソースを食い合うことで、発熱とバッテリー消費がさらに加速します。

もし可能であれば、テザリング中は使用していないアプリをタスクキル(終了)するか、バックグラウンド更新をオフにする設定をしておくと、多少なりともプロセッサの負荷を下げることができます。

テザリングで充電減るのを防ぐ対策

ここまで「なぜ減るのか」という絶望的なお話をしてきましたが、安心してください。原因がわかれば対策も打てます。ここからは、私が実際に現場で使っているテクニックを中心に、バッテリー消費を最小限に抑えるための具体的な方法を解説していきます。

バッテリー持続性重視のBluetoothと速度重視のUSB接続の使い分け

Bluetooth接続で電力を節約

もしあなたの作業内容が、テキストメールの返信、SlackやChatworkでの連絡、あるいはブログの執筆(テキスト入力)がメインなら、迷うことなく「Bluetoothテザリング」に切り替えてください。

圧倒的な省電力性能「BLE」

Bluetoothには「BLE(Bluetooth Low Energy)」という規格があり、その名の通り消費電力が極めて低いのが特徴です。Wi-Fiテザリングが「常に全速力」だとしたら、Bluetoothテザリングは「必要な時だけ動く」ようなイメージです。

機能 Wi-Fiテザリング Bluetoothテザリング
通信速度 高速(数十〜数百Mbps)
動画やWeb会議も余裕
低速(1〜2Mbps程度)
テキストや軽いWeb閲覧向き
バッテリー消費 激しい(High)
端末も熱くなりやすい
非常に少ない(Low)
長時間繋ぎっぱなしでも安心
接続の手間 SSIDを選んですぐ接続 初回にペアリングが必要

私自身、出先で急ぎのチャットを返すだけの時は必ずBluetooth接続を使っています。体感ですが、Wi-Fiテザリングだと1時間で15%〜20%減るような場面でも、Bluetoothなら5%程度の減少で済むことが多いです。「速度はいらないから、とにかく電池を持たせたい」というシーンでは最強の選択肢です。

USBケーブルでPCから給電する

逆に、ZoomやTeamsでのWeb会議、YouTubeでの動画視聴、大容量ファイルのアップロードなど、「速度」と「安定性」が絶対に必要な場面では、「USBテザリング」一択です。

「給電しながら通信」という安心感

USBテザリングの最大のメリットは、データ通信と同時に「PCからスマホへの給電(充電)」が行われる点です。PCとスマホをケーブルで物理的に繋ぐため、スマホのバッテリー残量を維持、あるいは回復させながら通信を行うことができます。

注意点:PC側のバッテリーに注意

スマホは助かりますが、そのエネルギーは接続しているノートPCのバッテリーから吸い上げられています。PCが電源に繋がっていない場合、PC側の稼働時間が短くなるので、トータルのエネルギー管理には注意が必要です。

Bluetoothは消費電力5%、USBは給電可能というメリット比較

Xperiaなどが搭載する「神機能」

ちなみに、Xperiaや一部のゲーミングスマホには「HSパワーコントロール(パススルー充電)」という機能が搭載されています。これは、ケーブルから入ってきた電気をバッテリーに貯めず、直接スマホのシステム(CPUや通信回路)に送る機能です。
これを使うと、「充電しながら使っているのにバッテリーが熱くならない」という理想的な環境でテザリングができます。対応機種をお持ちの方は、設定メニュー(ゲームエンハンサー等)からぜひオンにしてみてください。

モバイルルーターの導入を検討

もしあなたが、毎日数時間テザリングを行い、月間のデータ使用量が20GBや30GBを超えているなら、スマホでのテザリングを卒業し、専用の「モバイルルーター(ポケットWi-Fi)」を導入することを強くおすすめします。

「スマホの寿命」をお金で買うという考え方

「端末がもう一台増えるのは邪魔だな…」と思うかもしれませんが、長期的視点で見ると経済的合理性は高いです。毎日テザリングで高温状態に晒されたスマホのバッテリーは、1年もしないうちに劣化し、交換が必要になります。最近のハイエンドスマホのバッテリー交換費用は1万円〜1万5千円程度かかることも珍しくありません。

格安無制限プランの活用

現在は、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」のように、データ無制限で月額3,000円台というプランが存在します。これを安価なモバイルルーター(中古なら数千円で手に入ります)に入れて運用すれば、スマホのバッテリーを一切傷めることなく、完全な無制限通信環境が手に入ります。

専用ルーター導入でスマホのバッテリー劣化を完全に防ぐ解決策

専用ルーターのメリット

  • スマホのバッテリー劣化を完全に防げる
  • 専用の大型アンテナを搭載しているため、受信感度がスマホより良いことが多い
  • 電話着信などで通信が途切れる心配がない

「スマホは連絡用、ルーターは通信用」と役割分担させるのが、最もバッテリーに優しく、プロフェッショナルな運用方法だと私は思います。

以下、私おすすめのモバイルルーターを紹介しておきます。富士ソフトさんのモバイルルーターです。電池の持ちが素晴らしいです。


【 最強配送 新品 送料無料 】 365日出荷 富士ソフト FS040W 本体 FS040WMB1 SIMフリー モバイルルーター 最大接続台数15台 最大速度300Mbps 最大速度867Mbps 最大通信可能時間20時間と超ロング 日本語 英語 中国語 ポケットWi-Fi pocket Wi-Fi 4G バッテリーレス nanoSIM

設定の見直しと冷却ファンの活用

「ルーターを持つほどではないけれど、今のスマホでなんとかしたい」という方のための、細かいですが効果のある設定テクニックをご紹介します。

5Gを切って「4G固定」にする

前述の通り、不安定な5Gはバッテリー食いです。iPhoneなら「設定 > モバイル通信 > 通信のオプション」から、Androidなら「ネットワーク設定」から、優先ネットワークを「4G(またはLTE)」に固定してみてください。これだけで、無駄なセルサーチがなくなり、驚くほど発熱と電池減りが収まることがあります。

Wi-Fi周波数の使い分け

Wi-Fiテザリングの設定で「2.4GHz帯」と「5GHz帯」を選べる場合、障害物が多い場所やスマホをカバンに入れている場合は「2.4GHz」の方が有利な場合があります。5GHzは高速ですが障害物に弱く、出力を上げがちだからです。状況に応じて切り替えてみましょう。

物理冷却の導入

最終手段として、物理的に冷やすのも有効です。最近はスマホの背面に磁石で貼り付ける「ペルチェ素子搭載の冷却ファン」が2,000円〜3,000円程度で売られています。これを貼り付けながらテザリングをすると、嘘のように発熱が収まり、サーマルスロットリング(熱による速度低下)も防げます。

基地局からPCへデータを中継するスマホの高負荷な処理イメージ
スマホ全機種対応 3秒急速冷却 スマホ ゲーム機 クーラー ペルチェ素子 スマホクーラー マグネットパッド付き 携帯 スマホ冷却ファン 冷却 3秒急速冷却 半導体 マグネットパッド付き USB給電 スマホ散熱器 静音 軽量 小型 Switch/iPhone/iPad/Android ラジエーター

 

絶対にやってはいけないこと

熱いからといって、保冷剤を直接当てたり、冷蔵庫に入れたりするのは厳禁です! 急激な温度変化でスマホ内部に「結露」が発生し、水没と同じ状態で故障する原因になります。

5Gオフ設定、冷却ファンの活用、保冷剤や冷蔵庫の使用禁止の警告

テザリングで充電減る問題の総括

今回は、多くのユーザーを悩ませる「テザリング時の充電減り」について、その技術的な背景から具体的な解決策までを深掘りしてきました。

テザリングは非常に便利な機能ですが、技術的に見れば、手のひらサイズの精密機器に「基地局」と「ルーター」の役割を同時に押し付ける、非常に過酷なタスクです。バッテリーが減るのは、ある意味でスマホが頑張って仕事をしている証拠でもあります。

しかし、その負荷を放置すればバッテリーの寿命は確実に縮まります。メール一本打つだけならBluetooth、ガッツリ会議ならUSB給電、あるいは5Gをオフにするなどの「ひと手間」を加えることで、スマホの健康状態は劇的に変わります。「バッテリーの減りが異常に早いな」と感じたら、まずは今回ご紹介した接続方法や設定を一つずつ試してみてください。適切な知識とツールで、大切なスマホを長く使いながら、快適なモバイルワークを実現しましょう!

接続方法の使い分けというひと手間でスマホの健康を守る

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レオ

Wireless Tech Note は、無線・Bluetooth・Wi-Fi・通信技術を、公式情報や規格を基に分かりやすく解説する技術ブログです。 仕組みや背景を丁寧に整理し、一次情報へ戻れる安心できる解説を目指しています。 保有資格:第一級陸上無線技術士、基本情報技術者

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