アマチュア無線3級を受けようと思ったものの、「3アマって実際どれくらい難しいの?」「4アマを飛ばして、いきなり3アマでも大丈夫?」「モールスまで覚えないと受からない?」と不安になっていませんか。国家資格と聞くと、ちょっと身構えますよね。
さらに調べていくと、合格率、試験内容、合格基準、勉強時間、独学、過去問、教材、eラーニング、申し込み方法など、確認したいことが一気に増えてきます。情報が多すぎて、「結局、私は何から始めればいいの?」となりやすいところです。
先に結論をお伝えすると、アマチュア無線3級は、きちんと対策すれば完全初学者でも十分に合格を狙える国家資格です。近年の合格率はおおむね8割前後で、1アマや2アマほどの難関ではありません。
ただし、「合格率8割=ほぼ勉強しなくても受かる」と考えるのはおすすめしません。無線工学と法規にはそれぞれ合格基準があり、片方だけ高得点でも、もう片方が基準未達なら不合格になります。モールスの実技試験はありませんが、法規ではモールス符号や通信方法に関する知識も問われます。
3アマの難易度をひと言でまとめるなら、「難関ではないけれど、ノー勉で受ける資格でもない」です。現行対応の問題集を1冊決めて、無線工学と法規をバランスよく繰り返せば、十分に手が届きます。
この記事では、アマチュア無線3級の難易度を、合格率、試験内容、合格基準、4アマとの違い、モールス、勉強時間、独学、公開例題、教材、eラーニング、申し込みまで順番に整理します。
私は第一級陸上無線技術士と基本情報技術者の資格を保有し、RF回路、アンテナ、EMCなど無線機器に関わる技術分野で仕事をしてきました。Wireless Tech Noteでは、無線工学の用語をただ暗記項目として並べるのではなく、「なぜそうなるのか」「実際の無線機では何をしているのか」まで、できるだけ初心者にも分かる言葉へ置き換えて解説しています。
一方、国家試験の問題数、合格基準、受験料、資格の操作範囲などは、技術者の感覚で決められるものではありません。そのため、制度に関する部分は日本無線協会などの公式情報を確認しながら整理しています。試験制度は変更される可能性があるので、受験直前には必ず最新の公式案内も確認してください。
- アマチュア無線3級の難易度と合格率の目安
- 3アマの試験内容、合格基準、4アマとの違い
- 3アマを取ると実際に何ができるようになるのか
- モールスはどこまで覚えればよいのか
- 独学で受かるための勉強時間と公開例題の使い方
- 2026年時点で選びやすいおすすめ教材
- 国家試験とeラーニングのどちらを選ぶべきか
- CBTの申し込みから合格後の免許申請までの流れ
アマチュア無線3級の難易度の全体像
まずは、アマチュア無線3級がどれくらい難しい資格なのかを全体像から見ていきます。
結論から言うと、3アマは国家資格の中では挑戦しやすい部類です。ただし、無線をまったく知らない人が問題を初めて見ると、最初は「思っていたより専門用語が多いな」と感じるかもしれません。
たとえば無線工学には、AGC、AFC、LPF、BPF、SSB、アンテナ、給電線、電波伝搬などが出てきます。法規には無線局免許、無線従事者、呼出符号、無線通信規則、モールス符号などが出てきます。
このあたりを最初から知っている人は多くありません。ですから、初見で分からなくても特に問題はないですよ。
大切なのは、分からない言葉を一気に丸暗記しようとせず、問題を解きながら少しずつ意味を結び付けていくことです。3アマは出題範囲が無限に広い資格ではないので、1周目では意味不明だった言葉でも、2周目、3周目になるとかなり見慣れてきます。
| 項目 | 3アマの目安 | 難易度の見方 |
|---|---|---|
| 合格率 | 近年はおおむね8割前後 | 高めだが無対策でよいわけではない |
| 試験科目 | 無線工学・法規 | 両科目で合格基準を満たす必要あり |
| 問題数 | 合計30問 | 1問の取りこぼしが意外と大きい |
| 試験時間 | 70分 | 通常は余裕を作りやすいが演習は必要 |
| モールス実技 | なし | 法規の知識問題として対策する |
| 受験資格 | 不問 | 4アマを持っていなくても受験可能 |
| 独学 | 十分可能 | 現行教材と公式例題の反復が重要 |
3アマの合格率
3アマの合格率は、公開されている年度別集計を整理すると、近年はおおむね8割前後で推移しています。
数字だけを見ると、「8割も受かるなら、かなり簡単そう」と感じますよね。ただ、ここで覚えておきたいのは、合格率は「何も勉強しなかった人が受かる確率」ではないということです。
3アマを申し込む人の中には、すでに4アマを持っている人、アマチュア無線そのものに興味がある人、電子工作や電気・電子を勉強したことがある人もいます。ある程度準備した受験者を含めての合格率なので、数字だけで難易度を判断するのは少し危ないかなと思います。

| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 見方 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年度 | 1,305人 | 1,061人 | 81.3% | 高水準 |
| 2021年度 | 2,098人 | 1,701人 | 81.1% | 高水準を維持 |
| 2022年度 | 2,269人 | 1,873人 | 82.5% | 近年では高め |
| 2023年度 | 2,000人 | 1,531人 | 76.6% | やや低下 |
| 2024年度 | 1,971人 | 1,557人 | 79.0% | やや回復 |
2020年度から2024年度までを見ると、極端に合格率が崩れているわけではなく、比較的高い水準で推移しています。一方で、2023年度のように8割を下回る年もあるため、「ほぼ全員合格」と考えるような試験ではありません。
私の感覚では、3アマは「工学の難問に打ちのめされる試験」というより、知っていれば取れる問題を、どれだけ落とさず拾えるかが大切な試験です。
たとえば、AGCとAFC、LPFとHPF、許可と届出、呼出符号の送出ルール、モールス符号など。こうした似た言葉を何となく覚えていると、選択肢を見た瞬間に迷ってしまいます。
逆に、「AGCは受信出力の変動を抑える」「LPFは低い周波数側を通す」と役割まで結び付けて覚えていれば、少し表現を変えられても対応しやすくなります。
合格率は年度によって変わります。上表は難易度を考えるための目安として利用し、最新の受験状況や試験制度については日本無線協会の公式情報も確認してください。
合格率8割でも落ちる人はどこで失点する?
3アマで注意したいのは、難しい問題だけではありません。むしろ、「見たことがあるから大丈夫」と思った基本問題で取りこぼすほうが痛いです。
無線工学なら、回路の役割、フィルタ、変調、アンテナ、測定器。法規なら、手続き、運用ルール、数字、モールス。このあたりは問題集を繰り返すと見慣れてきます。
ところが、答えの番号だけ覚えてしまうと、数字や選択肢の順番が変わっただけで正解できなくなります。
合格率の高さに安心するより、「基本問題を説明できるくらいまで仕上げる」という考え方のほうが、結果的には短く合格へ近づけます。
3アマの試験内容
3アマの国家試験は、現在CBT方式で年間を通じて実施されています。
CBTとはComputer Based Testingのことで、紙の問題用紙にマークするのではなく、指定されたテストセンターのパソコンを使って解答する方式です。
「パソコン試験」と聞くと操作が不安になる人もいるかもしれませんが、問われるのはパソコン操作の能力ではありません。大切なのは、画面上で問題文と選択肢を落ち着いて読むことです。
試験科目は無線工学14問、法規16問の合計30問。試験時間は70分です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験方式 | CBT方式、多肢選択式 |
| 科目 | 無線工学、法規 |
| 問題数 | 無線工学14問、法規16問 |
| 合計問題数 | 30問 |
| 試験時間 | 70分 |
| 受験資格 | 不問 |
| モールス実技 | なし |
| 実施時期 | 年間を通じてCBTで実施 |
単純計算すると、1問あたり2分以上使えます。計算量の多い難関資格ではないため、知識が固まっていれば時間は比較的確保しやすいでしょう。
とはいえ、本番で初めて時間を測るのはおすすめしません。迷った問題に何分も使ってしまうと、あとで簡単な問題に使える時間が減ります。
問題集の仕上げ段階では、一度は70分で30問を通して解く練習をしておくと安心です。
無線工学で押さえたい範囲
無線工学では、電気の基礎、電子回路、送信機、受信機、電源、アンテナ、給電線、電波伝搬、測定器、電波障害などが中心になります。
名前だけ見ると少し難しそうですよね。ただ、3アマで求められるのは大学の電磁気学を一から証明するような内容ではありません。
たとえば、オームの法則、電圧・電流・抵抗、周波数と波長、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、フィルタ、変調方式、アンテナの基本など、無線機の仕組みを理解するための土台になる内容が中心です。
計算問題では、公式を覚えるだけでなく単位に注意してください。MHz、kHz、Hz、m、cmなどが混ざると、考え方が合っていても桁を間違えることがあります。
用語問題では、「この回路は何のためにあるのか」を一言で説明できる状態を目指すと強いです。
たとえば、AGCなら受信入力が変わっても出力を安定させるための回路、LPFなら低い周波数成分を通して高い周波数側を抑えるフィルタ、という具合です。
Wireless Tech Noteでは、こうした用語をただ暗記するより、「実際の無線機の中で何をしているのか」をイメージして覚えるほうが理解しやすいと考えています。
法規で押さえたい範囲
法規は、電波を勝手なルールで使わず、安全かつ適正に運用するための決まりを学ぶ科目です。
無線局の免許、無線従事者、設備変更、運用方法、秘密の保護、遭難通信や非常通信、呼出符号、無線通信規則、モールス符号などが対象になります。
一見すると暗記科目ですが、意外と引っかかりやすいのが文章表現です。
「あらかじめ」「遅滞なく」「許可」「届出」「しなければならない」「することができる」など、似ているけれど意味が違う言葉が出てきます。
法規を勉強するときは、文章を丸ごと覚えるよりも、「誰が」「いつ」「何をするのか」を整理するとかなり読みやすくなります。
3アマは、無線機の仕組みを学ぶ「無線工学」と、電波を正しく使うための「法規」をセットで学ぶ資格です。資格取得後に実際に電波を出すことを考えると、どちらも意味のある内容なんですよ。
3アマの合格基準
3アマで特に注意したいのが、無線工学と法規の合計点だけでは合格できないという点です。
無線工学と法規には、それぞれ合格基準があります。どちらか片方だけ基準を下回った場合、もう片方で高得点を取っても合格にはなりません。
日本無線協会が公開している合格基準では、無線工学は70点満点中45点以上、法規は80点満点中55点以上です。
1問5点なので、正答数にすると無線工学は9問以上、法規は11問以上が必要になります。最新の正式な基準は、日本無線協会「試験科目・合格基準等」でも確認できます。

| 科目 | 問題数 | 満点 | 合格基準 | 必要正答数 |
|---|---|---|---|---|
| 無線工学 | 14問 | 70点 | 45点以上 | 9問以上 |
| 法規 | 16問 | 80点 | 55点以上 | 11問以上 |
ここで無線工学を見てみると、14問中9問必要です。つまり、6問間違えると合格基準を下回ります。
法規も16問中11問必要なので、6問間違えると届きません。問題数がそれほど多くないぶん、一問一問の重みは意外と大きいです。
CBT終了直後の点数表示にも注意
CBTでは試験終了後に自動計算された点数が表示されますが、日本無線協会によると、この画面に表示されるのは法規と無線工学を合わせた合計点です。
ここは、かなり大事です。
合計点が高く見えても、片方の科目が合格基準に達していなければ不合格になる可能性があります。そのため、試験直後の合計点だけを見て合否を断定しないようにしましょう。
正式な試験結果は、概ね2週間以内に電子メールで案内されます。
合格基準から逆算する勉強法
3アマの勉強では、満点を狙う必要はありません。ただし、練習段階から毎回ギリギリの9問・11問では、本番の問題との相性次第で危なくなります。
私なら、問題集や模擬問題で両科目とも7〜8割以上を安定して取れる状態を一つの目安にします。
これは公式の合格基準ではなく、本番で少し余裕を持つための学習上の目標です。
無線工学なら10〜12問程度、法規なら12〜14問程度を安定して正解できるようになると、かなり安心感が出てきます。
3アマは「総合点を稼ぐ試験」ではなく、「無線工学と法規を両方とも合格ラインへ乗せる試験」です。苦手科目を丸ごと捨てないことが大切ですよ。
3アマと4アマの違い

3アマと4アマで迷っているなら、試験の難易度だけではなく、資格を取ったあとに何をしたいかまで考えると決めやすいです。
日本無線協会が案内する3アマの主な操作範囲は、アマチュア局の無線設備のうち、空中線電力50W以下で、周波数が18MHz以上または8MHz以下のものです。
4アマの場合は、モールス符号による通信を除き、21MHzから30MHzまでまたは8MHz以下で10W以下、30MHzを超える周波数では20W以下の設備が主な操作範囲です。
| 比較項目 | 3アマ | 4アマ |
|---|---|---|
| 受験資格 | 不問 | 不問 |
| 試験科目 | 無線工学、法規 | 無線工学、法規 |
| 問題数 | 30問 | 24問 |
| 試験時間 | 70分 | 60分 |
| 難易度 | 4アマより一段上 | 入門向け |
| 空中線電力 | 主に50W以下 | 周波数帯により10W以下または20W以下 |
| モールス通信 | 操作範囲に含まれる | 除外される |
| 試験で増える主な内容 | 国際法規、モールスなど | 基本的な法規・工学 |
3アマを取ればHFの全バンドを使えるわけではない
ここは資格取得後に勘違いしやすいので、少し補足します。
「3アマは18MHz以上または8MHz以下」と決められているため、10MHz帯や14MHz帯は3アマの操作範囲には入りません。
つまり、「4アマより上だから、3アマならすべてのHF帯を使える」という意味ではないんですね。
将来的に10MHz帯や14MHz帯を含めて、もっと広くHFを楽しみたい場合は、2アマや1アマへのステップアップも視野に入ります。
この操作範囲は資格選びにかなり重要なので、最新の正式な範囲は日本無線協会のアマチュア無線従事者案内でも確認しておきましょう。
いきなり3アマを受けるのはあり?
4アマを持っていなくても、いきなり3アマから国家試験を受けることはできます。受験資格に「4アマ取得済み」という条件はありません。
ですから、最初から3アマを受けるのは十分ありです。
特に次のような人なら、3アマから始める意味は大きいでしょう。
- 最初から50Wまでの運用を視野に入れている人
- 将来的にHFやCWも楽しんでみたい人
- 4アマ取得後すぐ3アマへ進むつもりの人
- 多少勉強量が増えても、最初から3級を取りたい人
- 将来的に2アマや1アマまで進みたい人
一方、「まず一番取り組みやすい資格で無線の世界に入ってみたい」「モールスや国際法規まで一度に覚えるのは負担に感じる」という人なら、4アマから始めてもまったく問題ありません。
4アマの試験内容や難易度から比較したい方は、アマチュア無線4級の難易度と試験内容も参考にしてください。
将来的に2アマを狙うなら3アマはよい中間地点
将来2アマや1アマまで進みたいなら、3アマは無線工学と法規の基礎を固める中間ステップとして使いやすい資格です。
2アマになると、無線工学の問題数も増え、回路、送受信機、アンテナ、電波伝搬などをもう一段深く理解する必要が出てきます。
3アマで基礎的な回路、モールス、法規、無線機の構成に慣れておけば、その後の学習にもつながりやすいです。
2級まで視野に入れている方は、アマチュア無線2級の難易度と合格のコツもあわせて読むと、3アマとの難易度差が分かりやすいと思います。
4アマは「無線を始める入口」、3アマは「50WやCWなど運用の幅を広げる段階」、2アマ以上は「さらに周波数・出力・無線工学の幅を広げる段階」と考えると、自分に必要な資格を選びやすいですよ。
3アマを取るメリット
試験勉強を始める前に、「そもそも3アマを取ると何がうれしいのか」を整理しておきましょう。
資格は取ること自体が目的になりがちですが、アマチュア無線の場合、その先に実際の運用があります。
50Wまでの設備を操作できる範囲が広がる
3アマでは、資格で定められた周波数範囲において空中線電力50W以下の無線設備を操作できるようになります。
もちろん、「50Wならいつでもどこでも自由に送信してよい」という意味ではありません。実際の送信では無線局免許や設備、周波数ごとのルールなどを守る必要があります。
それでも、4アマの10W・20Wの範囲から50Wへ広がることは、固定局やモービル運用などを考える人には資格取得の大きな意味になります。
モールス通信のCWも視野に入る
4アマではモールス符号による通信が操作範囲から除かれていますが、3アマではCW運用も視野に入ります。
試験ではモールスの聞き取り実技がないため、資格取得時点で高速なCWを受信できる必要はありません。
資格を取ったあと、「今度は実際にCWを覚えてみよう」と楽しみ方を増やせるのも3アマらしいところです。
資格勉強が無線機の理解にもつながる
無線工学で学ぶ内容は、試験だけの知識ではありません。
アンテナ、フィルタ、変調、受信回路、測定、電波伝搬などを知ると、無線機の説明書やスペック表を見たときの理解度も変わります。
私自身、無線機器の設計や評価では、「何MHzなのか」「どんな変調なのか」「不要な周波数成分はどう抑えるのか」「アンテナからどう電波が出るのか」といった考え方を日常的に使います。
3アマの無線工学はその入口です。試験のためだけに暗記するのではなく、実際の無線機と結び付けて考えると、勉強が少し面白くなってきますよ。
3アマのモールス対策
3アマを調べている人が不安になりやすいのがモールスです。
「音を聞いて、全部文字に書き起こす試験があるの?」と思うかもしれませんが、現行の3アマ国家試験には別立てのモールス実技試験はありません。
ここは安心して大丈夫です。

ただし、法規の中にはモールス符号や通信方法に関する知識問題があります。
つまり試験対策として必要なのは、高速のモールス信号を耳で聞き分ける訓練ではなく、符号や略符号、通信上の使い方を問題として解けるようにすることです。
DE、QRZ?、HHなど、問題集や公式例題に出てくる表現は優先して押さえておきましょう。
3アマのモールス対策は「CW実技の訓練」ではなく「法規の得点対策」と考えると気持ちがラクです。最初から高速受信ができる必要はありません。
モールスは全部を完璧に覚えるべき?
理想を言えば、アルファベットや数字のモールス符号を幅広く覚えておくほうがよいでしょう。
ただし、試験勉強を始めた初日からすべてを完璧にしようとすると、そこで時間を使いすぎてしまいます。
まず問題集や公式例題に出てきた符号から覚え、間違えたものを繰り返す方法が現実的です。
モールスは短点と長点だけなので、一見すると似た符号が多くあります。眺めるだけでは混同しやすいため、紙やスマホに書いたり、自分で短点・長点を声やリズムに置き換えたりすると覚えやすくなります。
私なら、間違えた符号だけを小さな一覧にして、毎日1〜2分見る方法を選びます。モールスだけを30分まとめて覚えるより、短時間でも何度も接触するほうが負担を感じにくいです。
符号だけでなく通信の流れとセットで覚える
DEやQRZ?のような表現は、意味だけを単独で覚えるより、「実際の交信のどこで使うのか」と結び付けると覚えやすいです。
モールスを「意味不明な点と線の暗記」にしてしまうと苦しくなります。通信のための言葉だと理解しておくと、少し見え方が変わりますよ。
| 対策項目 | 覚え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 文字・数字の符号 | 問題で出たものから反復 | 最初から全部に時間を使いすぎない |
| 略符号 | 意味と一緒に覚える | 記号だけで丸暗記しない |
| 呼出・通信ルール | 交信の流れで整理する | 順番や意味を混同しない |
| 苦手な符号 | 小さなメモへ集約する | 同じミスを放置しない |
モールスが苦手だから3アマを諦める必要はありません。法規の一分野として着実に得点できるようにすれば十分です。
3アマは文系でも受かる
無線工学という名前を見ると、「文系だから無理かも」と感じる人もいます。
でも、3アマは文系だから受からない資格ではありません。
必要になるのは、高度な数学より、基本的な公式と無線機器の役割を理解することです。
むしろ3アマでは、法規の文章を丁寧に読む力や、似た言葉を区別する力もかなり大切です。
無線工学で分からない用語が出てきたら、いきなり専門用語のまま覚えようとしないのがおすすめです。
たとえば、低域フィルタなら「低い周波数を通し、高い周波数を抑えるもの」、AGCなら「入力が変わっても受信出力を安定させる仕組み」というように、まず日本語で役割を説明できるようにします。
そのあとでLPFやAGCという略語を結び付けたほうが、初心者には理解しやすいかなと思います。
専門用語を見て分からないのは、能力の問題ではなく、まだその言葉と意味が結び付いていないだけです。3アマの工学は範囲が限られているので、1語ずつ役割へ置き換えていけば十分追いつけます。
文系の人がつまずきやすいのは計算より単位
初学者が計算問題で意外とつまずきやすいのは、式そのものより単位です。
Hz、kHz、MHz、m、cm、V、A、Ω。見慣れない記号が一度に出ると難しく見えます。
たとえば波長と周波数では、周波数が高いほど波長は短くなり、周波数が低いほど波長は長くなります。
この関係を覚えておくだけでも、アンテナの長さや周波数の問題がかなり読みやすくなります。
文系なら法規から始めてもOK
どうしても工学への抵抗感が強い場合、最初の数日は法規から始めても大丈夫です。
法規は文章中心なので、「問題を解ける」という感覚を先につかみやすいです。
ただし、法規だけを2〜3週間続けて工学を放置するのはおすすめしません。
3アマは両科目合格が必要ですから、早い段階から少しずつ無線工学にも触れてください。
| 不安 | 対策 | 考え方 |
|---|---|---|
| 計算が苦手 | 基本公式を問題パターンとセットで覚える | 高度な数学から勉強し直す必要はない |
| 用語が難しい | 装置や回路の役割を日本語に直す | 略語だけで覚えない |
| 法規が細かい | 数字・主体・手続きを整理する | 似た表現を比較する |
| モールスが不安 | 頻出符号から少しずつ覚える | 実技試験ではない |
資格勉強を始める前にアマチュア無線そのものの雰囲気を知りたい場合は、まず受信から触れてみる方法もあります。
「どんな交信をしているのか知りたい」という方は、アマチュア無線を聞くだけで楽しむ入門も参考にしてみてください。
アマチュア無線3級の難易度と勉強法
ここからは、3アマの難易度を踏まえて、「では実際にどう勉強すればいいのか」を具体的に整理していきます。
3アマは独学でも十分狙えます。ただし、教材の数を増やすことより、1冊を繰り返して弱点を減らすほうが重要です。
また、「過去問だけで受かる」と聞くことがありますが、現在CBT対象の3アマについて日本無線協会が公式公開しているのは、一般試験のような過去1年間の本試験問題ではなくCBT方式の例題です。
ここを理解したうえで、公開例題、市販問題集、テキストを使い分けましょう。
3アマの勉強時間
3アマに「公式の標準勉強時間」はありません。
必要な時間は、4アマを持っているか、電気・電子の知識があるか、暗記が得意か、1日にどれくらい集中できるかでかなり変わります。
そのうえで、完全初学者が余裕を持って計画するなら、50〜100時間程度まで確保できるスケジュールを組んでおくと安心です。

ただし、「50時間勉強しなければ受からない」という意味ではありません。
4アマを持っている人や電気の基礎がある人なら、もっと早く合格圏へ入る可能性があります。逆に、毎日10分しか取れず、前回勉強した内容を思い出すところから始める人なら、期間は長くなります。
時間数より大切なのは、無線工学と法規の両方で安定して合格基準を上回れるかです。
| 学習状況 | 考え方 | 次にすること |
|---|---|---|
| 20〜30時間ほど学習 | 基礎がある人なら仕上がる場合もある | 模擬演習で現在地を確認 |
| 50時間前後 | 初学者でも全範囲を反復しやすい | 苦手問題を重点復習 |
| 50〜100時間 | 完全初学者が余裕を持って計画する範囲 | 理解不足の工学・法規を補強 |
| 時間を掛けても点が伸びない | 勉強量より方法を見直す段階 | 答え暗記から理由の理解へ変更 |
4週間モデルの進め方
毎日1〜2時間前後を確保できるなら、4週間程度を一つの目安として組む方法があります。
| 週 | 学習内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1週目 | 公式例題、法規の基本、試験形式を確認 | 全体像をつかむ |
| 2週目 | 無線工学の電気基礎、回路、送受信、変調 | 工学用語への抵抗を減らす |
| 3週目 | アンテナ、伝搬、測定、法規、モールス | 苦手論点をつぶす |
| 4週目 | 30問通し演習、間違い直し、公式例題再確認 | 本番で安定して合格圏へ入る |
忙しい人なら、6週間や8週間に伸ばしても問題ありません。
平日は法規やモールスの暗記、休日に工学の計算や30問通し演習、と分けてもよいです。
「4週間で受からなければいけない」と考える必要はありません。大切なのは、試験日から逆算して全範囲を2〜3周できる時間を確保することです。
勉強時間ではなく「できること」を記録する
「今日は2時間勉強した」だけだと、実力が上がったか分かりにくいです。
そこで、「今日はLPFとHPFを区別できるようになった」「アンテナの波長計算ができるようになった」「モールスで間違える文字を3つ減らした」のように記録すると、勉強の進み具合が見えます。
勉強時間は計画を立てるための目安です。受験してよいかを判断するときは、「何時間やったか」より「無線工学と法規をどちらも安定して解けるか」で判断しましょう。
3アマは独学で受かるか
3アマは、独学でも十分に合格を狙えます。
公式のCBT例題、市販問題集、入門テキストがあるため、自分で勉強を続けられる人なら、国家試験+独学は費用を抑えやすい方法です。
独学で一番避けたいのは、教材を次々に買い足してしまうことです。
3アマの場合、5冊を1周ずつするより、現行対応の1冊を3周、4周するほうが知識は定着しやすいです。
独学の基本ステップ

- 日本無線協会のCBT公開例題を見る
- 現行対応の主教材を1冊決める
- まず最後まで1周する
- 間違えた問題に印を付ける
- 2周目は間違えた理由まで確認する
- 3周目で正答率を上げる
- 最後に70分で30問を通して解く
- 試験直前は間違いだけを復習する
1周目では、分からない問題が多くても気にしなくて大丈夫です。
初学者なのに、最初から8割取れるほうが珍しいです。まずは出題範囲の地図を作る感覚で進めましょう。
「正解した問題」も理由を説明できるか確認する
独学で怖いのは、たまたま正解した問題です。
4択なら、よく分からなくても25%の確率で当たります。その問題を「正解したから理解済み」にしてしまうと、本番では間違える可能性があります。
問題を解いたあと、「なぜこれが正解なのか」を一言で説明できるか確認してください。
たとえば「高調波を抑えるためにLPFを使う」という問題なら、「基本波より高い周波数側にある高調波を減衰させたいから」と説明できれば、理解が一段深くなっています。
独学に向いている人・eラーニングが向いている人
| タイプ | 向いている方法 |
|---|---|
| 自分で予定を立てられる | 国家試験+独学 |
| 費用をできるだけ抑えたい | 国家試験+市販問題集 |
| 分からない部分を自力で調べられる | 独学向き |
| 教材を開くまでに時間がかかる | eラーニングも検討 |
| 学習順を用意してほしい | eラーニング向き |
| 4アマを持っていて短縮課程を使いたい | JARD・QCQなども比較 |
「独学のほうが偉い」「講座なら簡単」という話ではありません。
自分が最後まで続けやすい方法を選ぶことが一番大切です。
3アマの過去問・公開例題対策
3アマの勉強法を調べると、「過去問を回せば受かる」という話をよく見かけます。
ここで一つ整理しておきたいのが、日本無線協会が現在公開している問題の位置付けです。
日本無線協会では、CBT対象ではない資格については過去1年間の国家試験問題と解答を掲載しています。一方、3アマや4アマなどCBT対象資格について公開されているのは「CBT方式の国家試験の例題」です。
3アマについては、法規・無線工学それぞれ概ね1回の試験に相当する例題が複数組公開されています。
公式にも、実際の試験で必ず掲載例題の中から出題されるわけではなく、同じ題意でも数値、用語、表現、選択肢の順番などが異なる場合があると案内されています。
ですから、答えの番号を覚えるだけでは足りません。
公開例題は、日本無線協会「CBT方式の国家試験の例題」で確認できます。
| 科目 | 問題を見るポイント | 復習方法 |
|---|---|---|
| 無線工学 | 回路、変調、フィルタ、アンテナ、測定器 | 装置や回路の役割を一言で説明 |
| 法規 | 免許、変更、運用、秘密保護、国際法規 | 誰が・いつ・何をするか整理 |
| モールス | 文字、略符号、通信方法 | 間違えた符号だけ反復 |
| 計算 | 公式、単位、数値の置き換え | 答えではなく計算過程を再現 |
公開例題は最初と最後の2回使う
公式例題は、勉強を始める前と、試験直前の2回見るのがおすすめです。
最初は点数を気にせず、「どんな問題が出るのか」を確認します。
そのあと市販教材で勉強し、試験直前にもう一度公式例題へ戻ります。
最初は意味が分からなかった問題を、理由まで分かって解けるようになっていれば、かなり実力が付いているはずです。
間違いノートはきれいに作らなくていい
過去問・例題対策でおすすめしたいのが、間違いメモです。
立派なノートを1冊作る必要はありません。
「AGCとAFCを逆にした」「MHz→Hzで桁を間違えた」「DEの意味を忘れた」「許可と届出を混同した」のような短いメモだけで十分です。
このメモは、試験前日にかなり役立ちます。
教材を最初から読み直すより、自分が実際に間違えたものだけを見直したほうが、限られた時間を使いやすいです。
3アマ対策のゴールは、「見たことがある問題を解ける」ではなく、「少し表現を変えられても同じ論点だと分かる」状態です。
3アマのおすすめ教材
3アマの教材を選ぶときは、「有名な本を何冊も買う」より、2026年時点の試験に対応した教材を1冊決めて繰り返すほうが大切です。
特に注意したいのが、アマチュア無線の試験対策本には長く販売されているものもあることです。無線工学の基本原理は大きく変わりませんが、法規や試験制度は改正されることがあります。そのため、今から購入するなら、できるだけ新しい法令や出題内容を反映した教材を選んだほうが安心です。
2026年時点で3アマ受験用として選びやすいのは、次の3冊です。
| 教材名 | 向いている人 | 特徴 | 税込定価 |
|---|---|---|---|
| 第3級ハム国試要点マスター2026 | 3アマに絞って効率よく合格を狙いたい人 | 2025年までの出題を収録。問題集と要点解説を1冊で進められる | 1,540円 |
| はじめての3級・4級アマチュア無線技士試験 テキスト&用語集 | 無線工学が初めての人 | 図解や用語解説があり、基礎から理解しやすい。2024年12月の電波法改正に対応 | 2,200円 |
| はじめての3級・4級アマチュア無線技士試験 模擬試験問題集 | 主教材を終えて本番形式の演習を増やしたい人 | 3級は5回分の模擬試験を収録。2025年10月の電波法改正に対応 | 1,760円 |
この3冊は役割が少し違います。
「3アマだけを効率よく取りたい」のか、「電気や無線の知識がほとんどないので基礎から理解したい」のか、「すでに勉強していて本番形式の問題を追加したい」のかで選ぶと、余計な教材を買わずに済みます。
短期合格を狙うなら「第3級ハム国試要点マスター2026」
3アマに絞って効率よく勉強したい人に、まず候補として挙げたいのがCQ出版社の第3級ハム国試要点マスター2026です。
2026年版は、第3級アマチュア無線技士の国家試験対策に特化した教材で、2025年までに出題された試験問題を収録しています。問題集だけではなく、各問題を解くために必要な知識を整理した参考書部分も収録されているのが特徴です。
無線工学では、基礎知識、電子回路、送信機、受信機、電波障害、電源、アンテナ・給電線、電波伝搬、測定などを扱います。法規では、無線局の免許、無線設備、無線従事者、運用、業務書類、国際法規、モールス符号など、3アマで必要になる範囲を一通り確認できます。
特に、「テキストを最初から最後まで読むより、問題を解きながら必要な知識を覚えたい」という人とは相性がよいでしょう。
3アマだけを受ける予定で、まず1冊だけ選びたいなら、「第3級ハム国試要点マスター2026」が最も分かりやすい候補です。問題を解く→解説を確認する→間違えた問題をもう一度解く、という流れを1冊で作りやすいですよ。
完全初学者なら「テキスト&用語集」から始める
一方、「抵抗やコンデンサからよく分からない」「AGCやSSBと言われても何のことか分からない」という完全初学者なら、つちや書店のはじめての3級・4級アマチュア無線技士試験 テキスト&用語集も有力な候補です。
こちらは問題演習だけに特化した本ではなく、無線工学と電波法規を基礎から説明するテキスト型の教材です。図解やイラストを使いながら説明されているため、専門用語を初めて見る人でも全体像をつかみやすくなっています。
内容は、無線工学の基礎、電子回路、送信機、受信機、電源、アンテナと電波伝搬、電波障害、測定器に加え、電波法、無線局免許、無線設備、無線従事者、運用、国際法規などを収録しています。
さらに、試験直前の暗記事項、模擬試験問題、アマチュア無線用語集まで入っているので、「問題だけ見ても解説の意味が分からない」という人にはこちらのほうが入りやすいかなと思います。
2024年12月の電波法改正に対応した現行教材なので、これから新しく初心者向けテキストを購入するのであれば、以前販売されていた「テキスト&問題集」ではなく、現在の「テキスト&用語集」を選ぶのが自然です。
無線工学の用語にある程度慣れている人なら要点マスター、用語そのものから理解したい人ならテキスト&用語集。この分け方で考えると選びやすいです。
仕上げには「模擬試験問題集」を追加する
主教材を一通り終えて、「知識は付いてきたけれど、本番形式でもう少し問題を解きたい」という段階になったら、はじめての3級・4級アマチュア無線技士試験 模擬試験問題集を追加する方法があります。
こちらは2025年12月発売の比較的新しい問題集で、3アマについては5回分の模擬試験問題が収録されています。2025年10月の電波法改正にも対応しているため、2026年に仕上げ用問題集を購入する候補として使いやすいです。
3アマ本番は無線工学14問、法規16問の合計30問を70分で解きます。
普段は分野ごとに問題を解けていても、無線工学と法規を続けて解くと、思ったより迷う問題が出てくることがあります。そこで模擬試験を使い、時間を測りながら一通り解いておくと、自分の弱点や時間配分を確認できます。
ただし、この本を最初の1冊にする必要はありません。
基礎知識がない状態で模擬問題だけを解くより、まず要点マスターやテキスト&用語集で一通り勉強し、そのあと仕上げとして追加するほうが使いやすいでしょう。
結局どの教材を買えばいい?
3冊紹介すると、「結局どれを買えばいいの?」と迷いますよね。
3アマ合格だけが目的なら、最初から全部そろえる必要はありません。私は次のように選ぶのが分かりやすいと思います。
| あなたの状況 | 最初に選ぶ教材 |
|---|---|
| 3アマだけを効率よく取りたい | 第3級ハム国試要点マスター2026 |
| 4アマを持っていて基礎知識もある | 第3級ハム国試要点マスター2026 |
| 電気・電子をほとんど勉強したことがない | テキスト&用語集 |
| 専門用語を図解から理解したい | テキスト&用語集 |
| 主教材を2〜3周して問題を追加したい | 模擬試験問題集 |
| 試験直前に本番形式で確認したい | 模擬試験問題集 |
迷った場合は、短期合格重視なら「第3級ハム国試要点マスター2026」、完全初学者なら「テキスト&用語集」という2択から考えてみてください。
そして、その1冊を2〜3周しても演習量に不安が残ったときだけ、模擬試験問題集を追加する。この順番なら、教材を買いすぎて消化できなくなる失敗を防ぎやすいです。
教材選びでは「最新版か」を必ず確認する
アマチュア無線の試験対策本を購入するときは、書名だけでなく発行年や対応法令も確認してください。
特にAmazonや中古書店では、現在の本とタイトルがよく似た旧版が販売されていることがあります。
無線工学で扱うオームの法則やアンテナ、電子回路の基本が急に使えなくなるわけではありませんが、法規や試験制度について古い内容が残っている可能性があります。
数百円安い中古本を購入した結果、「この制度は今も同じなのかな?」と毎回調べ直すことになれば、かえって勉強しにくくなります。
これから新しく購入するのであれば、2026年版や直近の法改正に対応していることを確認したうえで選ぶほうが安心です。
書籍の価格、版、在庫、法令への対応状況は今後変更される可能性があります。購入時には出版社や販売店の商品ページを確認し、旧版と現行版を間違えないようにしてください。
教材は何冊も必要ない
3アマ対策では、教材の冊数を増やすことがそのまま合格率アップにつながるわけではありません。
むしろありがちな失敗は、1冊目を半分しか終えていないのに、「こっちの本のほうが分かりやすそう」と次の教材へ移ってしまうことです。
新しい問題集を買うと勉強が進んだような気になりますが、結局どの本も1周しかできなければ、間違えた問題が定着しません。
3アマは出題範囲を繰り返し確認することが重要なので、まず主教材を1冊決め、その1冊を何周もすることを優先してください。
私なら、完全初学者には「テキスト&用語集」を主教材にし、問題演習をもっと増やしたくなった段階で模擬試験問題集を追加します。
一方、ある程度無線や電気の基礎がある人なら、「第3級ハム国試要点マスター2026」を主教材にして、公式例題と組み合わせます。それで安定して合格ラインを超えられるなら、追加教材はなくてもよいでしょう。
教材選びで一番大切なのは「何冊持っているか」ではなく、「1冊の中で間違えた問題をどれだけ減らせたか」です。まず1冊を仕上げ、それでも不足を感じたときだけ次の教材を追加しましょう。
また、日本無線協会のCBT公開例題は、市販教材とは別に必ず一度確認しておきたいです。勉強を始める前に見れば本番の雰囲気が分かり、主教材を仕上げたあとにもう一度解けば、自分の理解度を確認できます。
3アマのeラーニング
「独学でも受かりそうだけど、自分で勉強を管理するのが苦手」という人には、eラーニングによる養成課程も選択肢になります。
ここで大切なのは、JARDとQCQ企画では3アマコースの受講条件が同じではないことです。
無資格から3アマを取りたいならJARDも選択肢
JARDの3アマeラーニングには、これから初めて資格を取る人向けのコースがあります。
2026年9月時点の公式案内では、一般の受講料等は28,450円です。
4アマ等の資格保有者や18歳以下など、条件に該当すると15,250円の区分があります。
これらの金額には、案内上、無線従事者免許申請手数料2,050円が含まれる区分があります。実際の申込条件や料金計算は申込時に必ず公式ページで確認してください。
QCQ企画の3アマは4アマ保有者向け短縮コース
QCQ企画の3アマeラーニングは、第三級アマチュア無線技士の短縮コースです。
2026年時点では、第四級アマチュア無線技士など所定の資格を持つ人が受講条件になっています。
料金は16,350円で、案内上は教科書代、修了試験受験料、無線従事者免許申請手数料2,050円が含まれています。
| 取得ルート | 主な対象 | 2026年9月時点の費用目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 国家試験+独学 | 誰でも受験可能 | 5,400円+決済手数料 2026年10月1日以降申請は6,000円+手数料 |
費用を抑えたい人 |
| JARD 3アマeラーニング | 無資格者も受講可能 | 一般28,450円など | 学習手順を用意してほしい人 |
| JARD 有資格者等の割引区分 | 4アマ保有者など | 15,250円 | 4アマからステップアップしたい人 |
| QCQ企画 3アマ短縮コース | 4アマ等の所定資格保有者 | 16,350円 | 4アマ取得後に養成課程で進みたい人 |
国家試験とeラーニングはどちらがおすすめ?
費用を最優先するなら、国家試験+市販教材の独学がかなり有利です。
受験料と教材1冊で済ませれば、eラーニングより総額を抑えやすいです。
一方で、費用だけで決める必要はありません。
「教材を買っても毎回途中で止まる」「勉強の順番を決めてほしい」「自分だけでは工学を理解できるか不安」という人にとっては、最初からカリキュラムが用意されたeラーニングにお金を払う価値があります。
自分で勉強を続けられるなら国家試験+問題集。無資格からカリキュラム型で進めたいならJARD、すでに4アマを持っているなら国家試験・JARD・QCQを料金と学び方で比較すると選びやすいです。
eラーニングの受講料、割引、受講条件、修了試験、免許申請の扱いは変更される可能性があります。申し込み前には必ずJARD・QCQ企画の最新公式案内を確認してください。
3アマの申し込み方法
3アマの国家試験は、現在インターネットから申し込みます。
CBTなので、紙の願書を郵送して決まった全国統一試験日を待つ方式とはかなり違います。
申請時には氏名、住所、生年月日、メールアドレスなどを入力し、顔写真も電子的に登録します。
2026年10月から受験料が変わるので注意
この記事を2026年に読んでいる方には、ここがかなり重要です。
第三級アマチュア無線技士の国家試験手数料は、2026年9月30日までの申請では5,400円です。
一方、電波法関係手数料令の改正により、2026年10月1日以降に受け付ける申請から6,000円へ改定されます。
別途、払込に関する手数料も必要です。
| 申請時期 | 3アマ国家試験手数料 |
|---|---|
| 2026年9月30日までの申請 | 5,400円+払込手数料 |
| 2026年10月1日以降の申請 | 6,000円+払込手数料 |
金額は「試験を受ける日」ではなく、改定の適用条件となる申請受付時期に注意してください。
制度はさらに変更される可能性があるため、実際に申し込む直前には日本無線協会の最新案内を確認するのが確実です。
申し込みから受験までの流れ

- CBTの申請ページから手続きを始める
- 氏名・住所・メールアドレスなどを登録する
- 規格に合った顔写真を登録する
- 第三級アマチュア無線技士を選択する
- 試験手数料と決済手数料を支払う
- 利用可能なテストセンターと日時を選ぶ
- 顔写真付き本人確認書類を持参して受験する
- 正式な試験結果通知を確認する
- 合格後に無線従事者免許を申請する
申し込んだ翌日に受験できるわけではない
CBTは年間を通じて受けられるので、思い立ったらすぐ翌日に受験できそうに感じるかもしれません。
しかし、日本無線協会の案内では、最初に選択できる試験日は申請日から14日以降です。
そのため、「明日までに勉強して、明後日受けよう」という受け方はできません。
逆に考えると、申し込み後に最低でも約2週間あるので、「受験日を決めてから追い込む」方法とも相性がよいです。
日程・会場変更は原則3日前まで
予定が変わった場合、CBTでは試験日の3日前までであれば、所定の手続きにより試験日や会場を変更できます。
ただし、最初の申請日から120日以降の試験日は選べないなどの条件があります。
キャンセルも原則3日前まで可能ですが、払戻しには手数料がかかります。
仕事や学校、家庭の予定が変わりやすい人は、「CBTだからいつでも自由に変えられる」と思わず、期限を確認しておきましょう。
試験当日の本人確認書類を忘れない
試験当日は、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、所定の顔写真付き本人確認書類が必要です。
本人確認書類を持参しない場合は受験できないと案内されています。
試験前日に問題集を詰め込むことも大切ですが、本人確認書類と会場までの経路を確認しておくほうがもっと大切です。
CBTでは受験票は発行されません。申請や試験結果に関する連絡はメールで行われるため、登録メールアドレスと受信設定、受付番号なども確認しておきましょう。
試験後すぐ正式合格になるわけではない
試験終了後には自動計算された合計点が表示されますが、正式な結果通知は後日です。
日本無線協会では、試験結果は概ね2週間以内に電子メールで案内するとしています。
案内に従って試験結果通知書をダウンロードし、合格していれば無線従事者免許の申請へ進みます。
合格後は「資格を取った=すぐ送信できる」ではない
3アマに合格すると、早く無線機を使って交信したくなりますよね。
ただし、ここはアマチュア無線初心者が混同しやすいところです。
国家試験に合格したこと、無線従事者免許を取得したこと、無線局として電波を出せる状態になったことは、それぞれ別の段階です。
まず、国家試験に合格したあとに無線従事者免許を申請します。
さらに実際にアマチュア局として送信する場合には、無線局側の免許・手続きや使用設備などの条件も確認する必要があります。
「試験に受かったから今日から無線機を買って自由に送信できる」というわけではないので注意してください。
試験合格後は、①正式な試験結果を確認、②無線従事者免許を申請、③実際に使用する無線局・設備の手続きを確認、という順番で考えると整理しやすいです。
資格取得後の無線機選びは出力だけで決めない
3アマを取ると50Wという数字に目が行きやすいですが、最初の1台が必ず50W機である必要はありません。
近所のレピーターや移動運用から始めたいなら、5W程度のハンディ機でも十分楽しめる場面があります。
一方、車載運用や固定局、HFまで楽しみたい人では必要な設備が変わります。
無線機をまだ持っていない方は、資格取得後にアマチュア無線ハンディ機のおすすめと初心者向けの選び方も参考にしてください。価格だけでなく、144MHz・430MHzへの対応、技適、出力、操作性など、最初の1台で確認したいポイントをまとめています。
アマチュア無線3級でよくある疑問
Q. 4アマを持っていなくても3アマを受けられる?
はい。3アマ国家試験には、4アマを先に取得しなければならないという受験資格はありません。
ただし、QCQ企画などの「3アマ短縮養成課程」では4アマ等が受講条件になる場合があります。国家試験と養成課程の受講条件を混同しないようにしてください。
Q. モールスを耳で聞き取れなくても受かる?
現行の3アマ国家試験にモールスの聞き取り実技はありません。
ただし、法規の中でモールス符号や通信方法に関する知識問題があるため、試験対策は必要です。
Q. 過去問だけで合格できる?
問題演習を中心に進めること自体は有効ですが、答えの番号だけを覚える方法はおすすめしません。
現在、日本無線協会が3アマ向けに公開しているのはCBTの例題で、公式にも掲載問題から必ず出題されるわけではないと案内されています。
同じテーマでも数値や表現が変わったときに解けるよう、「なぜその答えになるのか」を理解しましょう。
Q. 文系・数学が苦手でも大丈夫?
十分狙えます。
高度な数学より、基本公式、単位、装置の役割を理解することが重要です。
工学を全部理解してから問題集へ進む必要もありません。問題を解きながら、分からなかった部分だけテキストへ戻る方法でも大丈夫です。
Q. 3アマを取れば50Wで必ず遠くまで飛ぶ?
そうとは限りません。
無線通信の届き方は送信電力だけでは決まらず、周波数、アンテナ、設置場所、高さ、給電線、地形、電波伝搬など多くの条件が関係します。
50Wにできることは運用の選択肢を広げますが、「出力を上げれば必ず交信距離が伸びる」と考えないほうがよいです。
ここは無線技術のおもしろいところでもあります。
Q. 3アマを取ったら次は2アマを取るべき?
目的次第です。
3アマの操作範囲で十分楽しめているなら、急いで2アマを取る必要はありません。
一方、10MHz帯・14MHz帯を含めたより広いHF運用や、さらに大きな出力などに興味が出てきたら、2アマを検討する意味があります。
まず3アマで実際の無線を楽しみ、そのあと必要性を感じてからステップアップしても遅くありません。
アマチュア無線3級の難易度まとめ
アマチュア無線3級の難易度は、国家資格の中では比較的挑戦しやすい部類です。
近年の合格率はおおむね8割前後で、完全初学者でもきちんと対策すれば十分に合格を狙えます。
ただし、無対策で受ける資格とは考えないほうがよいです。
無線工学14問、法規16問のそれぞれに合格基準があり、工学は9問以上、法規は11問以上の正答が必要です。片方だけ得意でも合格できません。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 難易度 | 国家資格の中では比較的取り組みやすい |
| 合格率 | 近年はおおむね8割前後 |
| 問題数 | 無線工学14問+法規16問 |
| 試験時間 | 70分 |
| 合格基準 | 工学9問以上、法規11問以上が必要 |
| モールス | 聞き取り実技なし、法規の知識対策は必要 |
| 独学 | 十分可能 |
| 勉強時間 | 個人差が大きい。完全初学者は50〜100時間まで余裕を持って計画してもよい |
| おすすめ教材 | 主教材を1冊決めて反復する |
| 操作範囲 | 50W以下、18MHz以上または8MHz以下など |
| 4アマなしで受験 | 国家試験なら可能 |
短期合格を狙うなら、最初に日本無線協会の公開例題で試験の雰囲気を確認し、次に現行対応の問題集を1冊決めてください。
1周目では点数を気にせず、2周目で間違えたところを理解し、3周目では無線工学と法規の両方で安定して合格ラインを超える状態を目指します。
完全初学者なら、最初はAGC、LPF、SSB、モールスなど知らない言葉ばかりに見えるかもしれません。
でも、それぞれの用語には役割があります。無線工学を「暗号の暗記」にせず、「無線機のどこで何をしているのか」と結び付けていけば、かなり理解しやすくなります。
私は無線機器の設計やRF、アンテナ、EMCなどの仕事を通じて、電波は用語だけ覚えるより、仕組みと現象を結び付けたほうが理解しやすいと感じています。3アマの勉強も同じです。試験問題の正解だけを追うのではなく、「なぜこの回路が必要なのか」まで少し意識してみてください。
これから始めるなら、今日やることは難しくありません。公式例題を一度見て、自分に合う現行教材を1冊決め、受験日を考える。この3つから始めれば十分です。

なお、2026年9月時点では3アマ国家試験の手数料は5,400円ですが、2026年10月1日以降の申請から6,000円へ改定されます。試験制度、受験料、申込条件、養成課程の料金、免許申請方法などは今後も変更される可能性があります。
受験前には日本無線協会、資格取得後の免許や運用については総務省・各総合通信局などの最新公式情報を確認してください。
3アマは、資格を取って終わりではありません。50WやCWなど、4アマより少し広いアマチュア無線の世界へ進むための入口でもあります。
まずは合格を目指して1冊をしっかりやり込み、その先で実際に電波を受信し、アンテナを考え、無線機を選び、交信を楽しむ。そこまでつながると、試験で覚えた無線工学も「ただの試験問題」ではなくなってきますよ。