無線資格・学習

陸上無線技術士の無線工学B対策|苦手克服の勉強法を整理

無線工学Bは暗記ではなく電波を図で理解するという学習方針を示した図

陸上無線技術士の無線工学Bを勉強していて、アンテナや電波伝搬の式がなかなか頭に入らないと悩んでいませんか。過去問を繰り返しても、問題の形が少し変わるだけで解けなくなることもありますよね。

無線工学Bは、目に見えない電波の動きやアンテナの特性を扱うため、公式だけを覚えようとすると内容がばらばらに見えやすい科目です。式の意味と図を結びつけることで、少しずつ全体像が見えるようになります。

私自身、科目合格制度を利用しながら複数回受験し、第一級陸上無線技術士に合格しました。無線工学Bは最後まで残った科目で、正直に言うと合格ラインぎりぎりでした。

内容を理解していた問題でも、単位換算や対数計算を間違えて失点したことがありました。試験では、受験者が起こしやすい計算ミスを想定して、誤った計算結果が選択肢に入れられているように感じます。

無線工学Bは、暗記量を増やすよりも、図解による理解と計算問題への慣れを積み重ねることが重要です。

アンテナ・電波伝搬・測定のイメージが弱い場合は、解説の薄い過去問だけで粘らない方がよいです。図や計算過程が丁寧な参考書へ投資した方が、結果的に早く伸びやすいと感じています。

  • 無線工学Bが暗記だけでは解きにくい理由
  • アンテナ分野を図と公式で整理する方法
  • 計算ミスを減らし電波伝搬を攻略する方法
  • 過去問と参考書を使った効率的な勉強手順

この記事のポイント

公式を単独で覚えるのではなく、「どの現象を表しているのか」「数値が増えると何が変わるのか」まで説明できる状態を目指します。理解を深めた後は、問題演習を重ねて落ち着いて計算できる力を身につけましょう。

無線工学Bが難しく感じる理由

無線工学Bでは、アンテナ、給電線、電波伝搬、測定などの知識が、一つの問題の中で組み合わされます。それぞれを個別に暗記しているだけでは、条件が少し変わったときに対応しにくくなります。

暗記だけでは解けない出題構造

無線工学Bでは、公式を知っているかだけでなく、定義、単位、デシベル換算、物理的な意味まで理解しているかが問われます。答えを覚えていても、数値や条件が変わると解けなくなるのはこのためです。

たとえば、アンテナの実効面積を求める問題では、利得が真数なのかデシベルなのかを判断しなければなりません。自由空間伝搬損失でも、MHzとGHz、mとkmを混同すると答えが大きくずれます。

第一級では、公式をそのまま使う問題だけでなく、式の導出や複数の関係式を組み合わせる問題もあります。過去問と同じ数字や選択肢の並びを覚えるだけでは、安定して得点するのは難しいです。

さらに厄介なのが、理解できていても計算ミスで不正解になることです。途中の符号、単位、デシベル換算を一つ間違えると、誤った結果がそのまま選択肢に見つかることがあります。

正解番号を覚えた問題と、自分で正しく計算できる問題は別物です。

過去問の丸暗記と図解・意味の理解を比較し、条件変更への対応力の違いを示した図

学習方法 対応しやすい問題 弱点
答えだけを覚える 過去問とほぼ同じ問題 条件変更に弱い
公式だけを覚える 単純な代入問題 式や単位の選択で迷う
図と意味を理解する 類題や式変形を含む問題 最初の理解に時間が必要
計算問題を反復する 時間制限のある本番問題 解き直しをしないと定着しない

過去問の周回数だけで判断しない

選択肢を見ずに式を書けるか、なぜその式を使うのか説明できるかを確認してください。さらに、途中式を省略せず、同じ計算結果を何度でも再現できる状態を目指します。

図と式を結びつけて理解する

公式を覚える前に、送信点、伝搬路、受信点を簡単な図にしてみましょう。アンテナの問題なら給電点、電流の向き、放射方向、偏波を書くだけでも、式の意味が見えやすくなります。

電波伝搬の問題では、送信アンテナと受信アンテナの間に、直接波、反射波、障害物、距離を書き込みます。図にすることで、フリスの伝達公式を使うのか、回折やフレネルゾーンを考えるのか判断しやすくなります。

公式を確認し、送受信経路を図にし、数値の増減を理解する無線工学Bの3ステップ

式を覚えるときは、記号の意味だけでなく、値が増えたときの変化も確認してください。波長は周波数が高くなるほど短くなり、自由空間伝搬損失は周波数と距離が大きくなるほど増えます。

公式を思い出せないときでも、増減関係を理解していれば選択肢を絞れます。

ただし、増減関係だけで最終回答を決めるのではなく、計算できる問題は最後まで落ち着いて解きましょう。概算で選択肢を絞った後に正式な計算を行うと、桁や符号の誤りにも気づきやすくなります。

◆ワンポイントアドバイス

私は公式の横に、小さなアンテナや伝搬経路の絵を書いて覚えていました。きれいな図でなくても、電力がどこから入り、どこで減り、どこへ届くのかが分かるだけで理解しやすくなりますよ。

アンテナ分野の苦手克服法

アンテナ分野では、波長、利得、指向性、実効面積、入力インピーダンスを一つのまとまりとして理解します。アンテナの種類ごとに知識を分断せず、共通する原理から整理すると覚える量を減らせます。

波長・利得・実効面積を整理する

アンテナ分野の出発点は、波長を求めるλ=c/fです。電波の速度を約3×108m/sとすると、300MHzの波長は約1m、3GHzでは約0.1mになります。

周波数が10倍になると、波長は10分の1になります。この関係を理解すると、高い周波数ほど同じ電気的長さのアンテナを小さく作れる理由も分かります。

アンテナの実効面積は、代表的にはAe=λ2G/4πで表されます。ここで使う利得Gはデシベル値ではなく、真数へ変換してから代入します。

たとえば、0dBiは真数で1、3dBiは約2、10dBiは10です。6dBiを6として代入すると誤りになるため、問題文にdBが付いていたら真数変換が必要かを確認してください。

この式から、同じ利得なら周波数が高くなるほど実効面積が小さくなることが分かります。反対に、同じ物理的な開口面積なら、高い周波数ほど高利得化しやすくなります。

利得と指向性の関係は、G=ηDと整理すると分かりやすいです。Dは特定方向へ電波を集中させる指向性、ηは導体損失や誘電体損失を含む放射効率を表します。

波長λイコールc割るf、利得GイコールηD、実効面積Aeイコールλ二乗G割る4πの関係をアンテナ図で示した図

高利得アンテナでも、給電線損失や不整合損失が大きければ、無線設備全体の性能は伸びません。

項目 基本式・関係 覚えるポイント
波長 λ=c/f 周波数が高いほど短い
実効面積 Ae=λ2G/4π Gは真数で代入する
利得 G=ηD 効率と指向性の積
dBdとdBi dBi=dBd+約2.15dB 基準アンテナが異なる
偏波損失 PLF=cos2ψ 45度ずれで約3dB損失

dBiとdBdの違い

dBiは等方性アンテナ、dBdは半波長ダイポールを基準にした利得です。ERPとEIRPの計算では約2.15dBの差が出るため、問題文の単位を必ず確認してください。

ダイポール系を図で理解する

半波長ダイポールは、線状アンテナの基本となるアンテナです。中央付近で電流が最大になり、両端へ近づくほど電流が小さくなる分布をイメージしてください。

アンテナの軸方向には放射が弱く、軸に対して直角方向に強く放射します。立体的にはドーナツ状の指向性になり、水平に設置すれば水平偏波、垂直に設置すれば垂直偏波になります。

折返し半波長ダイポールは、導体を折り返した構造を持ち、通常の半波長ダイポールより入力インピーダンスが高くなります。導体径や本数が同じ条件では、おおむね4倍として扱う問題があります。

八木・宇田アンテナでは、励振素子、反射器、導波器の位置関係を図で整理しましょう。反射器は後方、導波器は前方に置かれ、導波器を増やすことで一般に指向性と利得が高まります。

コーナレフレクタアンテナは、反射板によって前方へ電波を集中させます。パラボラアンテナは開口面積と利得、フェーズドアレーアンテナは素子間の位相差とビーム方向の関係が重要です。

アンテナは、構造と指向性を同じ図の中で覚えると混乱しにくくなります。

◆実務から感じること

アンテナ単体の測定結果がよくても、筐体やケーブル、周囲の金属が加わると共振周波数や放射特性は変化します。試験でも、アンテナだけでなく給電線や周辺環境まで一つの系として見ると理解が深まります。

S11とVSWRを測定で理解する

アンテナへ送った電力が、すべて放射されるとは限りません。入力インピーダンスが給電線と合っていないと、一部の電力が反射して送信側へ戻ります。

特性インピーダンスZ0の線路に負荷ZLを接続したとき、反射係数はΓ=(ZL-Z0)/(ZL+Z0で求めます。完全整合ならΓは0です。

VSWRは(1+|Γ|)/(1-|Γ|)で表され、完全整合では1になります。反射係数が大きくなるほどVSWRも大きくなり、給電線上の定在波の差が広がります。

S11、リターンロス、反射係数、VSWRは、すべて同じ反射現象を異なる形で表した指標です。それぞれを別の知識として暗記するより、相互変換できるように整理しましょう。

反射係数、VSWR、リターンロス、S11がインピーダンス不整合による反射を表す関係図

たとえば、50Ωの給電線に75Ωの負荷を接続すると、反射係数は0.2、VSWRは1.5、リターンロスは約14dBです。不整合損失は約0.18dBとなります。

この問題では、分子と分母の引き算を反対にしたり、VSWRの分母を1+|Γ|にしたりすると、誤った選択肢へ誘導される可能性があります。式を書いてから数字を入れる習慣が有効です。

ベクトルネットワークアナライザでは、周波数に対するS11の変化を確認できます。横軸を周波数、縦軸をS11としたグラフをイメージすると、共振点や使用可能な帯域が分かりやすくなります。

S11が低いことと、アンテナがよく放射していることは同じではありません。

VSWRだけで性能を判断しない

抵抗で電力を消費させても、見かけ上は反射を小さくできる場合があります。利得、効率、放射パターン、給電線損失まで含めて評価することが重要です。

電波伝搬分野の苦手克服法

電波伝搬では、自由空間を基準にして、反射、屈折、回折、散乱、吸収が加わる順番で整理します。最初からすべてのモデルを覚えず、どの現象が受信電力を変えているのかを考えましょう。

送信電力と利得、自由空間伝搬損失、障害物とフレネルゾーン、フェージングを示した電波伝搬図

フリス公式とFSPLを使い分ける

自由空間での受信電力を求める基本式が、フリスの伝達公式です。Pr=PtGtGr(λ/4πd)2で、送信電力、利得、波長、距離の関係を扱います。

真数で計算すると掛け算や二乗が多くなるため、実際の問題ではデシベル表示に変換すると整理しやすくなります。送信電力と利得を足し、給電線損失と伝搬損失を引く形です。

自由空間伝搬損失は、周波数をMHz、距離をkmとする場合、FSPL=32.45+20log10f+20log10dで求めます。使用する単位が違う式もあるため、定数と単位をセットで覚えてください。

たとえば、送信電力20Wは約43dBmです。430MHz、15kmの自由空間伝搬損失は約108.6dBとなり、アンテナ利得とケーブル損失を加減すると受信電力を求められます。

リンクバジェット項目 計算例 扱い
送信電力 43.0dBm 基準値
送信アンテナ利得 8.0dBi 加算
送信ケーブル損失 1.5dB 減算
自由空間伝搬損失 108.6dB 減算
受信アンテナ利得 2.0dBi 加算
受信ケーブル損失 1.0dB 減算

フリスの伝達公式は電力の流れを理解する式、FSPLは回線計算を素早く行う式と考えると分かりやすいです。どちらも同じ自由空間伝搬を、真数とデシベルで表しています。

ただし、FSPLには建物による遮蔽、雨、樹木、偏波不一致、コネクタ損失、フェージングは含まれません。実際の回線では、これらの損失を別に加える必要があります。

この分野では、利得を引いて損失を足す、送信電力をdBWのままdBmとして扱うといったミスが起こりやすいです。私は計算前に、利得へ「+」、損失へ「-」を書き込むようにしていました。

◆私が計算問題で意識したこと

問題を理解できていても、計算ミスをすると得点にはなりません。特に本番では焦りやすいため、普段から同じ形式の問題を繰り返し、手順を迷わず書ける状態にしておくことが大切です。

反射・回折・フレネルを図解する

送信点と受信点の間に見通しがあっても、電波が必ず安定して届くとは限りません。直接波の周囲には、伝搬に影響する楕円体状のフレネルゾーンが広がっています。

第1フレネルゾーンの半径は、r1=√{λd1d2/(d1+d2)}で求めます。障害物がこの範囲へ入ると、回折波との位相関係で受信電力が低下する可能性があります。

実務では、第1フレネルゾーンの約60%を確保する考え方がよく使われます。ただし、これは一般的な目安であり、周波数、地形、必要な信頼性によって判断は変わります。

たとえば、920MHz、総距離2kmで障害物が中央にある場合、第1フレネルゾーンの半径は約12.8mです。60%を確保するなら、見通し線から約7.7mの余裕が目安になります。

相手のアンテナが目で見えるだけでは、十分な見通しとは限りません。

反射では、大地や建物で反射した波が直接波と合成され、強め合ったり打ち消し合ったりします。アンテナの高さを少し変えるだけで受信レベルが変わる場合は、反射波の位相が関係している可能性があります。

回折は、山や建物の角を回り込んで電波が届く現象です。障害物がない自由空間より損失が増えるため、試験では見通し線と障害物の位置関係を図から判断する問題が出題されます。

伝搬図を書く順番

送信点と受信点を直線で結び、地面、障害物、反射経路、第1フレネルゾーンを書き加えます。どの経路が受信点へ届くのかが見えると、反射、回折、遮蔽を区別しやすくなります。

フェージングと異常伝搬を整理する

フェージングは、受信電界や受信電力が時間や場所によって変動する現象です。移動体通信では、建物や地面から届く複数の波が合成されるため、数十cmの移動で受信レベルが大きく変わることがあります。

見通し成分が弱く、多数の反射波が届く環境ではレイリー分布が使われます。強い見通し成分に反射波が加わる環境では、ライス分布で扱うのが基本です。

建物や地形による広い範囲の中央値変動には、対数正規分布が使われます。強い直接波があるか、狭い範囲の変動か、広い範囲の変動かで整理すると覚えやすいです。

対策には、アンテナの位置を離す空間ダイバーシチや、偏波を変える偏波ダイバーシチがあります。MIMOも複数のアンテナと伝搬経路を使いますが、アンテナ間の相関が高いと効果が下がります。

対流圏では、高度による屈折率の変化によって電波の進む方向が曲がります。標準大気を扱う問題では、有効地球半径係数としておおむね4/3を使う場合があります。

屈折率の変化が通常と大きく異なると、電波が大気中の層へ閉じ込められるラジオダクトが発生します。修正屈折率やM曲線は、標準屈折やダクトの発生条件を判断するために使われます。

高い周波数では、降雨減衰や酸素、水蒸気による吸収も無視しにくくなります。HF帯では電離圏反射によって遠距離通信が可能ですが、時間帯や太陽活動で伝搬状態が変わります。

現象 見分けるポイント 主な対策
マルチパス 場所を少し動かすと変化する アンテナ位置や高さを変える
遮蔽 障害物の陰で継続的に弱い 高さと経路を見直す
偏波不一致 アンテナの向きで変化する 送受信の偏波を合わせる
ラジオダクト 遠距離局が一時的に強くなる 周波数計画や監視を行う
雨減衰 降雨時に高周波回線が低下する 回線余裕を確保する

過去問と参考書の効果的な使い方

無線工学Bの学習では、公式問題で出題形式を確認し、解けなかった理由を参考書で補う流れが効率的です。過去問と参考書のどちらかに偏らず、それぞれの役割を分けて使いましょう。

計算問題は途中式まで再現する

過去問を解いた後は、正解か不正解かだけでなく、どこで迷ったのかを記録してください。公式を知らなかったのか、単位を間違えたのか、問題文を読み落としたのかで対策は変わります。

私の場合、解法そのものは理解できているのに、途中の計算を間違えて不正解になることがありました。せっかく理解できている問題を計算ミスで落とすのは、かなりもったいないです。

実際の選択肢を見ると、dBと真数の混同や単位換算、符号の間違いなど、起こりやすいミスの結果が含まれているように感じます。途中で見覚えのある数字が出ても、すぐに選ばず最後まで計算しましょう。

計算問題では、理解することと、正確に答えを出すことの両方が必要です。

問題を解いた後は、解説を読んで終わりにせず、白紙へ途中式から再現してください。翌日と数日後にも解き直すと、正解番号ではなく計算手順が定着します。

ノートには問題全文を書き写さず、分野、使用する式、間違えた理由、正しい手順、単位、次回確認日を残します。同じ原因のミスが並ぶと、自分が注意すべきポイントが見えてきます。特に、WとdBm、真数とdB、MHzとHz、kmとmの変換は、途中式を省略しないでください。

問題演習を重ねる目的は、出題パターンを暗記することだけではありません。式を書く順番や単位換算を習慣化し、本番でも落ち着いて計算できる状態を作ることが大切です。

計算ミスを減らす一番現実的な方法は、たくさんの問題を解き、正しい計算手順に慣れることです。

起こりやすい計算ミス 誤りの例 対策
単位の混同 MHzをHzとして代入する 数値の横に単位を書く
dBと真数の混同 6dBiを真数6とする 式へ代入する前に変換する
符号の間違い 損失を加算する 利得に+、損失に-を書く
二乗の見落とし 距離に反比例として計算する 式を省略せず最初に書く
dBm換算の誤り 20Wを20dBmとする 基準値を覚えて概算する

計算後は、答えの大きさが現実的かを確認する習慣も有効です。距離が長くなったのに受信電力が増えているなど、物理的な関係と合わない場合は計算を見直してください。

単位、デシベルと真数、符号、dBm換算の計算ミスと対策をまとめたチェックリスト

過去問は、答えを覚える教材ではなく、正しい計算を再現する教材として使いましょう。

一陸技全体の勉強時間や科目ごとの進め方は、一陸技の勉強時間と合格戦略でも整理しています。無線工学B以外の科目との学習配分に迷っている方は参考にしてください。

間違いノートに残す項目

分野、使用する公式、単位、間違えた原因、正しい解法、次回の確認日を一組にします。「理解不足」と「計算ミス」を分けて記録すると、必要な復習を判断しやすくなります。

解説が丁寧な参考書へ投資する

無線工学Bの参考書を選ぶときは、収録問題数だけでなく、図や途中式の分かりやすさを確認してください。答えと短い説明だけの問題集は、基礎を理解した後の総仕上げに向いています。

アンテナや電波伝搬が苦手な人は、公式を選ぶ理由から説明している教材が必要です。計算ミスが多い場合は、単位換算やデシベル計算の途中式が省略されていない本を選びましょう。

今から一冊選ぶなら、「第一級陸上無線技術士試験問題集 第4集 合格精選360題」を中心に学習するのがおすすめです。

合格精選360題は全科目を反復できる

「第一級陸上無線技術士試験問題集 第4集 合格精選360題」は、無線工学Bだけでなく、無線工学の基礎、無線工学A、法規も収録しています。一陸技の全科目を一冊で演習できる問題集です。

計算問題では途中の計算過程が示され、間違えやすい問題には解法のポイントも掲載されています。無線工学Bの計算手順を確認しながら、全科目の演習量を増やしたい人に向いています。

私が受験勉強で使ったのは、前の「第3集 合格精選340題」です。間違えた問題を何度も解き直し、科目合格制度を利用しながら、最終的に第一級陸上無線技術士へ合格できました。

第3集を使った経験からも、このシリーズは問題を繰り返して解法を身につける学習に向いていると感じています。今から新しく購入するなら、より新しい第4集を選ぶ方が分かりやすいです。

◆私が実際に行った勉強法

私は第3集の問題を、公式と解法が思い浮かぶまで繰り返しました。答えの番号を覚えるのではなく、選択肢を見なくても途中式を再現できる状態を目指していました。

第4集だけで最新対策が完結するわけではありません

第4集も刊行から数年が経過しているため、近年の問題をすべて収録しているわけではありません。日本無線協会が公開する最新の公式問題も併用してください。

やさしく学ぶ無線工学Bは理解重視

「第一級陸上無線技術士試験 やさしく学ぶ 無線工学B 改訂3版」は、アンテナ、給電線、電波伝搬、測定を順番に学べる参考書です。無線工学Bだけを集中的に勉強したい人に向いています。

図を使った説明が多く、公式の使い方や問題を解くときの考え方も解説されています。過去問の解説を読んでも理解できない部分を、基礎から確認したいときに役立ちます。

特に、アンテナの電流分布、指向性、給電線の整合、電波伝搬のイメージがつかめない人におすすめです。最初から通読せず、分からない部分を調べる使い方でも構いません。

一陸技過去問・解説集は仕上げに使う

情報通信振興会の「一陸技 過去問・解説集」は、実際に出題された問題を本番に近い形で演習したい人に向いています。複数回分の全科目が収録され、正答だけでなく解説も掲載されています。

出題状況表を使えば、無線工学Bで繰り返し問われている分野を確認できます。合格精選360題や参考書で基礎を固めた後に、本番形式へ慣れるために使うと効果的です。

試験直前には時間を測って解き、計算問題を落ち着いて処理できるか確認しましょう。間違えた問題を知識不足と計算ミスに分けて記録すると、復習する範囲を絞れます。

参考書 主な役割 向いている人
合格精選360題 第4集 全科目の重要問題を反復する 一冊を中心に演習したい人
やさしく学ぶ 無線工学B 図と解説で原理を理解する アンテナや伝搬が苦手な人
一陸技 過去問・解説集 近年の問題と傾向を確認する 本番形式で仕上げたい人

一冊だけ購入するなら、全科目を反復できる合格精選360題が候補になります。ただし、無線工学Bの説明を読んでも理解できない場合は、「やさしく学ぶ 無線工学B」を併用した方が進めやすいです。

仕上げでは「一陸技 過去問・解説集」と日本無線協会の公式問題を使い、近年の出題形式を確認してください。問題集で基礎を固め、最新問題で変化を補う流れが効率的です。

参考書への投資は、本を何冊も集めるためではなく、止まっている理解と計算手順を前へ進めるために行うものです。

おすすめの使い分け

合格精選360題を中心に繰り返し演習し、理解できない部分を「やさしく学ぶ 無線工学B」で補います。最後に過去問・解説集と最新の公式問題を解き、本番形式へ慣れておきましょう。

無線工学Bに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 無線工学Bは公式を全部暗記すれば合格できますか?

A. 公式の暗記は必要ですが、それだけで安定して合格点を取るのは難しいです。式が表す現象、記号の意味、単位、値の増減まで理解し、選択肢を見ずに計算手順を再現できる状態を目指してください。

Q2. アンテナと電波伝搬はどちらから勉強すべきですか?

A. 波長、利得、実効面積などのアンテナ基礎から始め、その後にフリスの伝達公式と自由空間伝搬損失へ進むと理解しやすいです。アンテナの実効面積と伝搬損失がつながるため、回線計算の意味も見えやすくなります。

Q3. 数学が苦手でも無線工学Bに合格できますか?

A. 高度な数学を最初から学び直さなくても、頻出する対数、平方根、三角関数、指数の扱いを絞って練習すれば対応できます。途中式を省略せず、単位と増減関係を確認することが計算ミスを減らす近道です。

Q4. 計算ミスを減らすにはどうすればよいですか?

A. 式を先に書き、単位をそろえてから数値を代入する手順を固定してください。同じ形式の問題を繰り返し、計算後に答えの桁や増減関係を確認する習慣を付けると、本番でも落ち着いて処理しやすくなります。

Q5. 第一級と第二級で勉強方法は変わりますか?

A. 波長、利得、整合、自由空間伝搬などの基本的な勉強方法は共通しています。第一級では導出や抽象的な伝搬モデルまで問われやすいため、公式の結果だけでなく途中の考え方まで確認する必要があります。

合格までの勉強手順

無線工学Bを克服するには、すべての分野を同時に完璧にしようとせず、基礎式から順番に積み上げます。最初は正答率が上がらなくても、式と図の関係がつながると複数の問題を同じ考え方で解けます。

  • 最新の公式問題を解いて苦手分野を確認する
  • 波長・利得・実効面積の関係を図で整理する
  • 反射係数・VSWR・S11を同じ現象として理解する
  • フリス公式とFSPLで回線計算を練習する
  • 反射・回折・フレネル・フェージングを図解する
  • 計算ミスを分類して途中式から解き直す
  • 多くの問題を解いて計算手順に慣れる

私も無線工学Bは最後まで合格できず、最終的にも余裕を持って合格できたという感覚ではありませんでした。だからこそ、苦手な状態が続いても、合格を諦める必要はないと感じています。

過去問、弱点分析、参考書での確認、途中式の再現を繰り返す無線工学Bの学習サイクル

過去問の解説を読んでも理解できない部分は、努力不足ではなく、教材の説明が自分に合っていない可能性があります。同じ問題集を繰り返すより、図や途中式が丁寧な参考書で一度立ち止まった方が早く進めます。

一方で、理解できた後は計算問題の演習量も必要です。頭では分かっていても、本番で素早く正確に計算するには、繰り返し問題を解いて手順を体になじませる必要があります。

無線工学Bでは、理解した問題を計算ミスで落とさないことが、合格ラインへ届くための大切なポイントです。

まずは、λ=c/fAe=λ2G/4π、フリスの伝達公式、FSPL、反射係数、VSWR、第1フレネルゾーンを中核にしてください。基本式を過去問の中で使い続けることで、苦手意識は少しずつ薄くなります。

◆最後に

今は式を見ただけで難しいと感じても、無線工学Bに向いていないわけではありません。私も最後まで苦労しましたが、図で理解し、問題演習を重ねることで合格までたどり着けました。

理解できた問題を確実に得点へ変えられるよう、焦らず計算の練習を続けてみてください。

試験の日程、問題数、合格基準、使用できる道具などは変更される可能性があります。正確な情報は日本無線協会の公式サイトをご確認ください。

アンテナ設置、接地、雷対策、高所作業、無線設備の運用は安全や法令に関わります。必要に応じて施工業者や専門家へ相談し、最終的な判断は最新の公式情報と利用環境に基づいて行ってください。

プロフィール画像

レオ

Wireless Tech Note 運営者 無線技術や通信の仕組みを、できるだけやさしく整理して発信しています。第一級陸上無線技術士・基本情報技術者の知識と、RF設計・EMC実務の経験を活かして記事を作成しています。

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