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陸上無線技術士1級2級の違い|どちらを狙うべきか徹底比較

第一級・第二級陸上無線技術士の違いと受験級の選び方を解説する記事のアイキャッチ画像

陸上無線技術士を目指すとき、「最初から1級を受けても大丈夫?」「2級から取った方が近道?」と迷いますよね。資格名が似ているうえ、試験科目も同じなので、何を基準に選べばよいのか分かりにくいところです。

結論から言うと、取得を急ぐ事情がなければ最終目標は1級、仕事で2級が必要で期限があるなら2級から、というのが私の考えです。ただし、今の基礎力や学習時間によって、無理のない進め方は変わります。

私は業務ですぐに資格を使う必要がなく、知識を深める目的で、2級を経由せず第一級陸上無線技術士を取得しました。この記事では、その選択理由も交えながら、操作範囲、試験の違い、学習計画、求人の読み方、教材選びまで比較します。

  • 1級と2級で操作できる無線設備の違い
  • 試験科目・難易度・科目免除の考え方
  • 基礎力と取得期限に合う受験ルート
  • 求人条件と学習目的に合う教材の選び方

執筆:レオ(第一級陸上無線技術士・無線回路設計者)/内容確認・更新日:

陸上無線技術士1級と2級の違い

最も大きな違いは、資格によって認められる技術操作の範囲です。試験については、科目数だけを比べても難しさは判断できません。まず、受験する級を選ぶために必要な項目を並べてみましょう。

第一級陸上無線技術士と第二級陸上無線技術士について、操作範囲、試験科目、試験手数料、選ぶ目的を比較した図解

第一級・第二級陸上無線技術士の比較
比較項目 1級・一陸技 2級・二陸技
正式名称 第一級陸上無線技術士 第二級陸上無線技術士
技術操作の範囲 すべての無線設備 空中線電力・設備の種類などで範囲が定められる
主な電力条件 資格の操作範囲に空中線電力の上限なし 原則2kW以下、テレビジョン基幹放送局は500W以下。レーダーなどは別枠
試験科目 無線工学の基礎・無線工学A・無線工学B・法規の4科目
学習で意識する点 上位資格として、理論や計算への理解を深める 2級の出題水準に合わせて4科目を学ぶ
受験資格 学歴や実務経験などの受験資格は不問
試験時期 原則として1月・7月
試験手数料 16,500円 13,700円
選ぶ目的の例 将来の業務範囲、1級指定の応募条件、知識の向上 2級で対応できる業務への就業、段階的な資格取得

操作範囲は日本無線協会の資格と操作等の範囲、手数料・試験時期は令和8年度の陸上無線技術士国家試験案内を参照しています。手数料には教材費・交通費・免許申請費用などを含みません。

一陸技と二陸技の正式名称

「一陸技」は第一級陸上無線技術士、「二陸技」は第二級陸上無線技術士の略称です。「陸上無線技術士1級」「第1級陸上無線技術士」といった表記でも検索されますが、申し込みや履歴書では正式名称を確認しておきましょう。

特に間違えやすいのが、第一級陸上特殊無線技士、通称「一陸特」です。こちらは名前に「特殊」が入り、操作範囲も試験内容も異なります。通販で教材を探すときは、「第一級」という文字だけで選ばず、資格名を最後まで見てくださいね。

1級から直接受験できる

1級を受けるために、先に2級を取る必要はありません。日本無線協会は、無線従事者国家試験の受験資格を問わないと案内しています。電気系の学校を卒業していなくても、無線関係の仕事に就いていなくても受験できます。

ただし、受験できることと、今の知識で合格点を取れることは別です。初学者でも1級を目標にできますが、電気回路や数学から学び直す時間は見込んでおきたいところ。受験順より先に、出発点を確かめることが大切です。

出典:日本無線協会「国家試験 受験案内」

操作範囲は出力だけで決まらない

「1級は制限なし、2級は2kWまで」と覚えるだけでは、2級の操作範囲を正確に把握できません。設備の種類による区分と、技術操作と通信操作の違いを押さえておきましょう。

1級はすべての無線設備が対象

第一級陸上無線技術士は、すべての無線設備の技術操作を行える資格です。資格名に「陸上」と付いていますが、技術操作の範囲を陸上の設備だけに限定する説明は正確ではありません。

ここでいう「すべて」は、無線従事者の資格による技術操作の範囲のこと。1級を取得すれば、好きな周波数で自由に送信したり、無線局の免許条件を超えて出力を上げたりできるわけではありません。操作する人の資格と、無線局が許可されている運用条件は分けて考えてください。

将来、担当設備の出力や種類が変わる可能性まで考えるなら、この範囲の広さは1級を目指す理由になります。ただし、実際に任される業務は、会社の役割分担や教育、経験によっても決まります。

2級の範囲は四つに分かれる

第二級陸上無線技術士の技術操作の範囲は、次のように確認できます。空中線電力とは、ここでは無線設備の送信出力に関わる値であり、機器全体の消費電力とは異なります。

第二級陸上無線技術士の操作範囲を、一般設備、テレビジョン基幹放送局、レーダー、無線航行局の4区分で示した図解

第二級陸上無線技術士の技術操作の範囲
設備の区分 条件
テレビジョン基幹放送局以外の無線設備 空中線電力2kW以下
テレビジョン基幹放送局の無線設備 空中線電力500W以下
レーダー 上の2kW以下の枠に含まれないものも対象
無線航行局の無線設備 前記の2kW以下の設備・レーダー以外で、960MHz以上の電波を使用するもの

つまり、2級を「どの設備でも2kWまで」とひとまとめにするのは避けたいところです。レーダーや一定の無線航行局の設備は別の区分で扱われます。出典:日本無線協会「無線従事者の資格と操作等の範囲」

仕事で必要な資格を選ぶ場合は、「通信設備だから2級でよさそう」と推測するより、設備の種類、周波数、空中線電力、担当する操作を勤務先に確認する方が確実です。正確な情報は公式サイトをご確認ください。個別設備への適用について最終的な判断は専門家にご相談ください。

技術操作と通信操作は別の話

技術操作は無線設備を技術面から扱う操作で、通信操作は無線通信そのものを行う操作です。陸上無線技術士の「すべての無線設備を操作できる」という説明を、あらゆる通信業務まで無条件で行える意味に広げてはいけません。

例えば、設備の保守・調整に必要な資格を調べているのか、船舶や航空の通信業務に必要な資格を調べているのかで、確認する資格が変わります。名称の印象より、あなたが担当したい仕事の操作内容に注目しましょう。

試験科目と難易度を比較する

1級と2級は学ぶ分野が大きく重なります。そのため、2級の学習経験は1級への土台になりますが、「同じ範囲だから難しさも同じ」とは考えない方がよいでしょう。

両級とも四科目を受験する

一陸技と二陸技に共通する無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B、法規の4科目と、級によって要求される水準が異なることを示す図解

科目免除を使わない場合、両級とも無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B、法規を受験します。数学という独立科目はありませんが、工学の計算には式変形、指数・対数、三角関数などへの理解が役立ちます。

1級・2級に共通する試験科目と基準
科目 主に学ぶ内容 問題数・時間 合格点
無線工学の基礎 電気回路、電磁気、電子回路、測定 25問・2時間30分 125点中75点
無線工学A 送受信機、変復調、通信方式など 25問・2時間30分 125点中75点
無線工学B アンテナ、給電線、電波伝搬など 25問・2時間30分 125点中75点
法規 電波法令、無線設備・従事者・運用の制度 20問・2時間 100点中60点

問題数・時間は日本無線協会の試験科目別資料、得点基準は国家試験の合格基準によります。通常の試験は多肢選択式で、英語やモールスの実技試験はありません。

合否は科目ごとに判断されます。工学で高得点を取っても、法規の不足分を埋め合わせることはできません。得意な科目だけに勉強時間を使わず、各科目で基準を超える計画を立てましょう。

科目が同じでも水準は異なる

1級を選ぶ理由として、私は「結局、学ぶ分野が共通していること」を重視しました。ただ、これを「1級と2級の試験範囲は細部まで完全に同一」と受け取ってほしくありません。科目名が共通していても、設問や要求される理解の深さは同じではないからです。

比較するときは、両級の過去問で同じ分野を見てみてください。回路なら、使う公式を選べるか。アンテナなら、用語を知っているだけでなく、条件から求める量を判断できるか。こうした違いを自分の理解度と照らし合わせると、級の数字より具体的に考えられます。

また、2級だから計算が不要というわけでもありません。基礎でつまずいている場合、受験級を下げるだけでは解決しないことがあります。まずは記号の意味と単位を確認し、簡単な例題から式を追う時間を取りましょう。

合格率だけで決めない

合格率を見るときは、集計した年度・試験期、受験者数の数え方、科目免除者の扱いをそろえる必要があります。1級の受験者と2級の受験者では、学習経験や保有資格などの条件が異なる可能性があるため、数字だけで難易度の倍率は出せません。

私なら、受験級の判断には「解説を読んだあと、自分の手で解き直せるか」を使います。初見で解けなくても、説明を理解して再現できるなら学習を進められます。一方、解説に出てくる言葉から分からない場合は、基礎学習の時間を多めに確保する必要があるでしょう。

公式の問題は日本無線協会「試験問題と解答」で確認できます。最初は点数より、どの分野で止まるかを見るために使うのがおすすめです。

2級から1級へ進む際の注意点

段階的な受験を考えるなら、「学んだ知識を引き継げること」と「試験が免除されること」を分けて確認しましょう。ここを混同すると、必要な受験回数や費用の見積もりがずれてしまいます。

2級取得だけでは1級は免除なし

二陸技を取得したという理由だけで、一陸技の試験科目が免除される制度はありません。両級で法規などの科目名が同じでも、自動的に受験が不要になるわけではないので注意してください。

二陸技を取得しても一陸技の科目が自動免除されず、科目合格は同じ資格で活用することを示した図解

2級から1級へ進むメリットは、電気回路や電波伝搬などをすでに学んでいること、試験の受け方を経験できること、途中で資格として成果を残せることです。一方、他の免除条件に該当しなければ、1級でも4科目に取り組むことになります。

出典:日本無線協会「一定の無線従事者資格を有する者に対する試験の一部免除」

科目合格は同じ級で活用する

一陸技・二陸技には、一部の科目で合格点を得た場合に、同じ資格の次回以降の試験で免除を申請できる制度があります。対象期間は、その科目の試験が行われた月の翌月初めから数えて3年以内です。

例えば、一陸技の無線工学の基礎に合格した場合、その成果を使うのは一陸技の再受験です。二陸技の同名科目へ移せるわけではありません。また、制度の利用には申請が必要なので、合格科目があっても手続きは省略できません。

まとまった時間を取りにくい方は、2級を挟む方法に加えて、1級で科目合格を積み上げる方法も比較してみてください。取得期限までに資格そのものが必要なのか、数回に分けても1級を目指したいのかで選び方が変わります。

出典:日本無線協会「国家試験についてのFAQ」

受験料以外の負担も比べる

現行の試験手数料を単純に足すと、2級と1級を各1回受ける場合は30,200円です。1級だけを1回受ける16,500円との差は13,700円。ただし、これは合格に必要な総費用を予測した数字ではありません。

再受験、教材の追加、試験地までの移動、仕事を休む必要などによって負担は変わります。2級を先に取ることで会社の配置条件を満たせるなら、その費用には意味があります。反対に、知識向上が目的で期限もないなら、1級の学習に時間と予算をまとめる選択がしやすいでしょう。

どちらを狙うべきかの判断基準

全員に同じ受験順を勧めることはできません。ただ、必要な資格、取得期限、今の理解度という三つを確認すれば、選択肢はかなり絞れます。

必要な資格、取得期限、基礎力の3点から、一陸技を直接目指すか二陸技を先に目指すかを考える判断フロー

知識向上が目的なら1級を目標に

私が最初から1級を選んだのは、資格取得を急ぐ業務上の事情がなく、自分の知識を深めたかったからです。両級で学ぶ主要分野が重なるなら、最終的に欲しい資格へ直接取り組もうと考えました。

そのため、あなたも「いつまでに2級が必要」という条件がなく、いずれ1級を取りたいと考えているなら、まず1級の教材と過去問を見てみることをおすすめします。基礎から学ぶ必要があっても、最初に目標を1級へ置くこと自体に問題はありません。

個人情報を伏せた筆者レオの第一級陸上無線技術士の無線従事者免許証
私が取得した第一級陸上無線技術士の無線従事者免許証。個人情報は伏せています。

◆ワンポイントアドバイス

私が1級から取得したのは、自分の目的と期限に合っていたからです。「上位資格だから全員が最初から受けるべき」という意味ではありません。あなたが資格を必要とする場面を先に考えると、選びやすくなりますよ。

仕事で急ぐなら2級も有効

勤務先から二陸技の取得を求められていて、対象業務も2級の操作範囲で足りるなら、2級を先に目指す選択は合理的です。目の前の要件を満たし、その後に仕事と並行して1級へ進めます。

ただし、会社が求めているのが1級なら、2級を取得しても目的は達成できません。また、「試験に合格する日」と「免許証を取得する日」は同じではないため、提出期限があるときは何の書類が必要なのかまで確認してください。

上司や担当者に聞くなら、「必要なのは一陸技ですか、二陸技でもよいですか」「いつまでに何を提出すればよいですか」「受験料や教材費の補助はありますか」という三点が実用的です。ここが分かれば、遠回りを避けやすくなります。

初学者は過去問の解説で判断する

文系出身、電気の勉強は久しぶり、といった理由だけで2級に決める必要はありません。反対に、理系出身だから1級を短期間で取れるとも限らないでしょう。専攻や仕事で触れてきた内容は人によって違います。

私は、両級の問題を少し見てから、解説付き教材で同じ分野を確認する方法を勧めます。式の意味を追えるなら問題演習へ、用語から分からないなら基礎学習へ。この順で判断すれば、「自分には無理そう」という印象だけで目標を下げずに済みます。

状況別に考える受験ルート
あなたの状況 検討したい進め方
1級が応募・業務の必須条件 1級を目標に必要な学習期間を確保する
期限があり、2級で要件を満たす まず2級を目指し、その後の1級受験を検討する
知識向上が目的で期限がない 1級からの学習を第一候補にする
基礎が不安で学習時間も少ない 基礎の学び直し後、2級取得と1級の科目合格を比較する

学習期間は使える時間から考える

「1級は何か月、2級は何か月」と一律に決めるより、週に何時間続けられるかを先に見積もりましょう。学習経験、免除科目、教材との相性で、必要な準備は変わります。

半年で確保できる時間を出す

例えば、平日に30分ずつ、土日に各2時間なら、週の学習時間は6.5時間です。半年を26週として単純計算すると約169時間。平日に1時間ずつ、土日に各3時間なら、週11時間で約286時間になります。

これらは、勉強時間を見積もるための計算例であり、合格に必要な時間を示す統計ではありません。同じ時間でも、電気回路を学び直す人と、すでに基礎を理解している人では進み方が異なります。まずは普段の生活で続けられる予定にしてください。

平日と土日の学習時間から、半年間で約169時間または約286時間を確保する計算例を示した図解

試験までの全日数を勉強に使えると考えず、繁忙期や家族の予定も差し引いておくと現実的です。平日は用語や解法を短時間で確認し、休日は紙に計算を書くなど、勉強内容と時間帯を合わせる工夫もできます。

最初の二週間で計画を調整する

私なら、初めの2週間を試行期間にします。四科目の問題に少しずつ触れ、解説を読み、数日後に解き直す。そのうえで、一問にどれくらい時間がかかるか、どの科目で基礎学習が必要かを確認します。

計画表には「参考書を何ページ読んだか」だけでなく、「解き方を説明できた問題」「まだ式の意味が分からない問題」を残すと役立ちます。読む量が増えていても、自力で解ける問題が増えない場合は、復習の時間が足りないのかもしれません。

一陸技の解説を追えるなら、そのまま1級対策を進める。2級が業務で必要で、1級対策まで広げると期限に間に合わないなら、2級に集中する。手を動かした結果を見て判断すると、納得して受験級を選べます。

申込期限と試験日も先に押さえる

2026年9月21日時点の公式案内では、次の1月期は一陸技が2027年1月19日・20日、二陸技が1月21日・22日です。申請受付は両級とも2026年11月1日から20日まで。詳細は日本無線協会の受験案内で確認できます。

試験日だけを覚えていても、申し込みを忘れると受験できません。学習を始める時点で申込期間を予定に入れ、科目免除を使う方は必要な証明書も確認しましょう。日程が分かれた両級を受ける場合も、学習と休暇の負担まで考えて判断してください。

求人での評価は募集条件から読む

1級と2級の価値を仕事の面から考えるときは、資格名の印象だけでなく、応募条件と担当業務を見ます。資格の操作範囲が広いことと、採用や年収が保証されることは別です。

必須と歓迎を分けて確認する

求人票に「第一級陸上無線技術士必須」とあれば、2級で代替できると自己判断しないこと。「第二級以上」と書かれていれば、2級は資格条件を満たす候補になります。記載が曖昧なら、応募先へ確認する必要があります。

陸上無線技術士の求人で、一陸技必須、第二級以上、歓迎・あれば尚可、記載が曖昧な場合の読み方を整理した図解

一方、「歓迎」「あれば尚可」は、資格だけで採否が決まるという意味ではありません。未取得でも応募できるのか、入社後の取得が条件なのか、実務経験との組み合わせで評価されるのかを読んでいきましょう。

私は、希望する職種の募集要項をいくつか見て、必要資格、担当設備、経験年数、勤務形態を比べることを勧めます。1級の指定が続くなら1級を目標にする理由が明確になりますし、2級で応募できる仕事が希望に合うなら、先に2級を取る意味も見えてきます。

設計職では学んだ内容も伝える

無線回路の設計者として私が重視したいのは、資格で学んだ内容を、回路や測定結果の説明に結び付けられることです。アンテナの整合、給電線での反射、受信系の雑音などは、用語を覚えるだけでなく、現象として理解したい分野です。

例えば、同軸ケーブルの先につなぐ負荷が合っていないと何が起こるか、増幅器の利得と雑音をどう見分けるか。学習した原理から説明する練習は、資格取得後にも役立ちます。ただし、設計者であるだけで常に陸上無線技術士が法的に必須になる、とまでは言えません。

履歴書や面接では、資格名に加えて、担当した業務や学習して理解した分野を具体的に伝えましょう。資格取得による給与の上昇額は会社や職種で変わるため、「1級なら必ず年収が上がる」と決めつけず、資格手当や処遇の制度も確認してください。

受験する級に合わせた教材選び

目標を決めたら、次は教材です。最初から何冊も買うより、受験する級の問題集を中心に、説明が足りない分野の参考書を組み合わせる方が使い道をはっきりさせられます。

一陸技と二陸技の問題集を演習の中心にし、共通参考書で不足する基礎を補い、公式問題や現行法令も確認する教材選びの図解

1級は解説を追える問題集から

一陸技向けの候補に、吉川忠久著『第一級陸上無線技術士試験問題集 第4集 合格精選360題』があります。東京電機大学出版局の案内では、計算過程や解法のポイントを掲載した問題集です。四科目を横断して、問題を解きながら確認したい方の比較候補になります。

ただし、出版年月日は2020年2月28日です。「現在購入できること」と「直近の試験まで収録していること」は同じではありません。使う場合は、新しい公式問題と組み合わせ、法令や出題内容の変化も確認してください。

私なら、試し読みで計算問題の解説を一つ確認します。答えを読んで納得した気になるだけでなく、途中式を自分で書けるかが判断材料です。説明の最初から分からないなら、問題集を増やす前に科目別の基礎教材を検討しましょう。

2級は専用問題で到達度を測る

二陸技を受けるなら、演習の中心は二陸技の問題にします。1級の問題集だけで勉強すると、今の目標に対してどこまで準備すればよいか判断しにくくなるためです。

書籍の候補には、吉川忠久著『第二級陸上無線技術士 試験問題集 第3集 合格精選400題』があります。ただし、2014年刊行のため、これ一冊で現在の対策が完結するとは考えないでください。基本的な演習に使う場合も、直近の公式問題や現行の法令で補う必要があります。

購入前は、安さや問題数だけでなく、説明の読みやすさ、新しい問題を補う方法まで確認しましょう。古い記述と現行制度の違いを判断するのが難しい初学者ほど、教材の刊行時期にも目を向けたいところです。

共通参考書は基礎固めに使う

両級の学習に使う候補として、『1・2陸技受験教室(1)無線工学の基礎 第3版』があります。電気物理、電気回路、半導体・電子管、電子回路、電気磁気測定を扱う科目別の参考書です。

2級から1級へ進む予定の方も、共通分野を学び直す用途で検討できます。ただし、共通参考書を使う場合でも、到達度を測る問題は受験する級に合わせてください。本文を一通り読めたことと、試験問題を制限時間内に解けることは別です。

教材を買う前に決めたいこと

受験する級を決め、問題集の解説を一問読み、理解に足りない部分を確認する。この順番で選ぶと、使わない本を増やさずに済みます。書籍ごとの役割や組み合わせは、陸上無線技術士の参考書と問題集の選び方で詳しく紹介しています。

受験前の疑問と最終確認

最後に、受験する級を決めるときに迷いやすい点を確認します。制度上の条件と、自分に合う学習方法を分けて考えると、次にすることが見えてきます。

1級と2級のよくある質問

Q1. 初心者がいきなり1級を受けても大丈夫?

A. 受験できます。先に2級を取得する必要はありません。ただし、電気や数学の基礎を初めて学ぶ場合は、その準備も必要です。私は、過去問と解説を見て、独力で学習を進められるか確かめてから計画することをおすすめします。

Q2. 2級を取れば1級の法規は免除される?

A. 二陸技の取得だけでは、一陸技の法規を含む試験科目は免除されません。2級で学んだ知識は役立ちますが、免除制度とは別です。他の資格や学歴・業務経歴による免除に該当する方は、公式の条件を個別に確認してください。

Q3. 2級だけ取得しても意味はある?

A. あります。担当する設備が2級の操作範囲に入り、勤務先や応募先の資格条件を満たすなら、取得する意味があります。1級が上位だからといって、2級の実用性がなくなるわけではありません。まず必要な業務と資格条件を確認しましょう。

Q4. 1級と2級は同じ参考書を使える?

A. 両級に対応する参考書なら、共通する基礎分野の学習に使えます。ただし、問題集と仕上げの過去問は受験する級に合わせてください。特に2級を先に受ける場合は、1級の問題だけを基準にして学習を難しくしすぎないことも大切です。

Q5. 試験に合格したらすぐ資格を使える?

A. 国家試験への合格後、無線従事者免許の申請をして免許証の交付を受ける必要があります。試験合格と免許取得は分けて考えてください。仕事で提出期限がある場合は、免許申請に必要な書類と手続きも早めに確認しておくと安心です。

まとめ:目的と期限で受験級を選ぶ

陸上無線技術士1級と2級の違いは、操作範囲と試験で求められる水準にあります。両級で学ぶ主要分野は重なりますが、同じ難易度ではなく、2級取得だけで1級の科目が免除されるわけでもありません。

  • 1級はすべての無線設備の技術操作が対象で、2級は設備ごとの条件がある
  • 取得を急がず、最終的に1級を目指すなら、1級からの受験を検討する
  • 業務上2級で足りて期限があるなら、2級を先に取る選択も有効
  • 学習期間は過去問の理解度と、実際に確保できる時間から考える
  • 参考書で理解を補い、受験する級の問題で解けるかを確かめる

私は知識向上が目的だったので、最初から1級を選びました。あなたも迷っているなら、まず必要な資格と期限を書き出し、両級の過去問を見てみてください。そのうえで解説を一問読み、自分に必要な教材を選ぶところから始めてみましょう。

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レオ

Wireless Tech Note 運営者 無線技術や通信の仕組みを、できるだけやさしく整理して発信しています。第一級陸上無線技術士・基本情報技術者の知識と、RF設計・EMC実務の経験を活かして記事を作成しています。

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