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陸上無線技術士の参考書と問題集|独学で失敗しない選び方

陸上無線技術士の参考書と問題集|独学で失敗しない選び方

陸上無線技術士の参考書を探していると、「問題集だけで合格できる?」「科目別のテキストも必要?」「一陸技と二陸技で同じ本を使える?」と迷いますよね。似た名前の教材もあり、何を買えばよいのか分かりにくいところです。

私のおすすめは、基礎を理解する参考書、問題を解くための問題集、苦手科目を補う教材という役割で選ぶこと。最初から全冊そろえる必要はありませんが、初学者が無理に一冊だけで済ませようとすると、解説を理解できずに止まってしまうことがあります。

私は大学で電気系を専攻していたため、『第一級陸上無線技術士試験問題集 第3集 合格精選340題』一冊を使って合格しました。ただし、これは電気の基礎を学んでいた私の場合です。この記事では、その経験と各教材の役割を分けて、あなたに合う組み合わせを紹介します。

  • 参考書と問題集を役割で選ぶ方法
  • 一陸技・二陸技の主な教材と違い
  • 初学者と電気系経験者のおすすめ構成
  • 教材の買いすぎを防ぐ購入順と使い方

陸上無線技術士の参考書の選び方

まず決めたいのは、人気の本を何冊買うかではなく、今の自分にどの説明が必要かです。参考書と問題集には内容が重なる部分もありますが、学習で担当させる役割を決めると選びやすくなります。

基礎解説と演習を分けて考える

参考書は、用語や公式の意味、回路やアンテナの仕組みを理解するために使います。問題集は、その知識を使って設問を解き、理解できていない部分を見つけるための教材です。解説が詳しい問題集なら、両方の役割をある程度兼ねることもできます。

ただし、解答の途中式が載っていることと、その式の意味を初歩から説明していることは別です。解説を読んで「なぜこの公式を使うのだろう」と感じるなら、基礎解説用の本を組み合わせた方が進めやすいでしょう。

初学者は「分かるための一冊」と「解けるようになるための一冊」を軸に考えてください。同じ役割の本を増やすより、足りない説明を補う買い方がおすすめです。

参考書は用語や公式の意味を理解するため、問題集は問題を解いて理解不足を見つけるために使い、説明が足りない科目を追加教材で補う関係を示した図。

受験する級と資格名を確認する

購入前に、表紙の資格名を最後まで確認しましょう。「第一級陸上無線技術士」と「第一級陸上特殊無線技士」は別の資格です。「一陸技」と「一陸特」は略称も似ているため、検索結果や通販の商品一覧だけで判断しないようにしてください。

また、一陸技と二陸技に共通する分野があっても、演習の中心は受験する級の問題に合わせるのが基本です。一・二陸技共通の参考書を使う場合も、二陸技を受験するなら二陸技の問題で理解度を確かめます。

第一級陸上無線技術士と第一級陸上特殊無線技士は別資格であること、一・二陸技共通の参考書を使う場合も演習は受験級の問題に合わせることを示した図。

受験する級そのものを迷っている場合は、先に陸上無線技術士の資格内容と一級・二級の違いを確認してください。教材を買ってから目標を変えると、使わない本が出やすくなります。

試し読みでは解説の一問を見る

目次だけでは、自分に合う説明かどうかまでは分かりません。試し読みや書店で確認できるなら、少し難しいと感じる計算問題を一問選び、解説を最後まで追ってみてください。

見るポイントは、記号の意味、単位、式を変形する順序、正解に至る理由が読み取れるかどうか。答えに到達していても、途中で何が起きたのか分からなければ、独学では同じ場所で止まる可能性があります。

文章量が多い本が必ず合うわけでもありません。図から理解しやすい人、式を順に追う方が納得できる人など、読みやすさは人それぞれです。口コミの評価に加えて、あなた自身が一問を理解できるかを購入の判断材料にしましょう。

少し難しい計算問題を一問選び、記号の意味、単位、式を変形する順序、正解に至る理由を追えるか確認する試し読みの手順。

参考書と問題集の比較一覧

代表的な教材を、学習での役割に分けて比較します。以下の「向いている人」は、対象資格や構成を踏まえた私の選び方の提案です。すべての本を購入するための一覧ではありません。

陸上無線技術士の主な教材と使い分け
教材 主な対象 役割・向いている人 紙書籍の税込定価
第一級陸上無線技術士試験問題集 第4集 合格精選360題 一陸技 選ばれた問題を繰り返し解き、基本的な解法を身につけたい人 3,190円
2026-2027年版 第一級陸上無線技術士試験 吉川先生の過去問解答・解説集 一陸技 収録された各試験回の問題を広く解きたい人 3,520円
第一級陸上無線技術士試験 やさしく学ぶ 無線工学の基礎(改訂3版) 一陸技 電気回路や電子回路などの理解を補いたい人 3,300円
第一級陸上無線技術士試験 やさしく学ぶ 無線工学A・B(各改訂3版) 一陸技 理解しにくい科目を個別に学び直したい人 各3,300円
第一級陸上無線技術士試験 やさしく学ぶ 法規(改訂3版) 一陸技 法規の用語や制度を章ごとに学びたい人 3,080円
1・2陸技受験教室(1)無線工学の基礎 第3版 一陸技・二陸技 両級に対応する科目別テキストを探している人 3,190円
第二級陸上無線技術士 試験問題集 第3集 合格精選400題 二陸技 二陸技の問題を使って分野別に練習したい人 2,970円

定価は2026年9月16日に確認した出版社表示です。販売価格・在庫・新版の有無は変わる場合があります。各書籍の公式情報は、以下の紹介文中のリンクから確認できます。

迷った場合は、中心となる問題集を一冊決め、説明が足りない科目の参考書を追加する順番で考えるとよいでしょう。電気の学習経験がほとんどない方は、基礎用の参考書も最初から用意する方が無理なく始められます。

私が一冊で合格できた理由

「合格者が一冊だけ使っていた」と聞くと、その本を選べば十分だと思いたくなりますよね。ただ、教材の評価には、使った人が勉強を始める前に何を知っていたかも関係します。

使ったのは第3集の340題

私が使用したのは、吉川忠久先生の『第一級陸上無線技術士試験問題集 第3集 合格精選340題』です。たくさんの問題に取り組めることと、解説がしっかりしていることが、自分には合っていました。

大学で電気系を専攻していたため、電気回路などの基礎は学んでいました。その状態から問題と解説を読むことで、試験で必要になる知識や解き方を理解できたので、参考書を別に増やさずに進められたわけです。

現在、これから同シリーズを購入する方には、出版社で案内されている『第4集 合格精選360題』を候補にすることをおすすめします。私が使った第3集は340題、第4集は360題なので、購入時には集数と題数を確認してください。

個人情報を伏せた筆者レオの第一級陸上無線技術士の無線従事者免許証
筆者が取得した第一級陸上無線技術士の無線従事者免許証。個人情報は伏せています。

初学者へ同じ方法を勧めない理由

私にとって分かりやすかった解説でも、初めて交流回路や電磁気に触れる方には、途中の説明が足りなく感じられるかもしれません。教材への評価が違うのは、理解力だけの問題ではなく、出発点が違うからです。

問題集を開いて、ほぼすべての記号や用語で止まるなら、先に基礎を説明する本が必要でしょう。一方、式の意味は分かるけれど計算が進まないなら、演習と途中式の確認に時間を使う方が役立ちます。

◆ワンポイントアドバイス

私の合格体験で参考にしてほしいのは、本の冊数よりも「その解説を自分で理解できたか」です。一冊で足りなかったとしても、あなたの勉強方法が間違っているわけではありません。

目的別に選ぶおすすめ教材

ここからは各教材をもう少し具体的に見ていきます。私が実際に使用したのは前述の第3集です。それ以外は、出版社の書誌情報・目次・構成を踏まえ、どの学習段階で使うとよいかを紹介します。

繰り返し演習するなら合格精選

『第一級陸上無線技術士試験問題集 第4集 合格精選360題』は、四科目を一冊で扱う問題集です。出版社の案内では、計算問題の計算過程や、間違えやすい問題の解法のポイントを掲載しています。問題を選びながら反復する教材として候補になります。

私は、このような選題型の問題集は、同じ分野を続けて練習する用途に向いていると考えています。ある問題で理解した解き方を、近い内容の問題でも使えるか確かめると、答えだけ覚えている状態を見つけやすいからです。

注意したいのは、第4集の出版年月日が2020年2月28日であること。今から購入する候補にはなりますが、2026年の直近問題まで収録されているわけではありません。仕上げには公式の新しい問題を組み合わせてください。

近年の問題を解くなら年度版

『2026-2027年版 第一級陸上無線技術士試験 吉川先生の過去問解答・解説集』は、2026年3月25日発売の過去問題集です。出版社によると、令和5年1月期から令和7年7月期までの全8回を科目ごとに収録し、付録にも問題を掲載しています。

こちらは、選ばれた問題を練習するだけでなく、収録された各試験回の出題を広く確認したい人に向いています。自分の得意分野ばかり解くことを避け、まだ手を付けていない設問に取り組むための教材として使えるでしょう。

ただし、書名の「2026-2027年版」は、2027年までの試験問題が入っているという意味ではありません。購入時は表紙の年だけでなく、収録範囲の最後が何年何月期かを確認することが大切です。

一陸技の合格精選360題は選ばれた問題の反復、2026-2027年版の過去問解答・解説集は収録された各試験回の問題を広く解く用途として比較し、書名の年と実際の収録範囲を区別する図。

科目別に学ぶならやさしく学ぶ

オーム社の「やさしく学ぶ」シリーズは、無線工学の基礎・無線工学A・無線工学B・法規の科目別教材です。一陸技の問題集を解いていて、特定の科目の説明をもう少し読みたい場合に候補になります。

例えば、回路計算や電子回路で止まるなら「無線工学の基礎」、変復調や送受信機の仕組みなら「無線工学A」、アンテナや給電線なら「無線工学B」という選び方です。四冊を一度に買うより、今つまずいている科目から試す方が、使う目的もはっきりします。

また、「やさしく」という書名でも、数学や電気の予備知識が一切不要とは限りません。試し読みで解説の進み方を確認してください。購入後は、全ページを順番に読む使い方に加えて、問題集で間違えた分野へ戻る辞書のような使い方もできます。

二陸技にも使うなら受験教室

東京電機大学出版局の「1・2陸技受験教室」は、一陸技と二陸技に対応する科目別シリーズです。例えば『無線工学の基礎 第3版』は2023年12月20日刊行で、電気物理、電気回路、半導体・電子管、電子回路、電気磁気測定を扱っています。

二陸技向けの問題集だけでは解説が足りない方や、一・二陸技共通の参考書を探している方の比較候補になります。ただし、共通教材だからこそ、今受ける級でどこまで問われるかは、その級の過去問と照らし合わせましょう。

シリーズ名が同じでも、各科目の版や刊行年はそろっているとは限りません。セット感だけで購入せず、必要な科目を一冊ずつ確認することをおすすめします。

二陸技の演習は専用問題集で

二陸技の候補には、『第二級陸上無線技術士 試験問題集 第3集 合格精選400題』があります。出版社の目次では四科目を扱っており、二陸技の問題を使って演習するための教材です。

ただし、出版年月日は2014年11月1日です。基本的な問題を練習する目的と、現在の出題・法令を確認する目的は分けてください。購入するなら、直近の公式問題や必要な更新情報で補う前提になります。

特に初学者は、古い記述と現行の扱いの違いを自分で判断しにくいものです。書籍の価格だけで決めず、試し読み、正誤表、追加で必要になる資料まで確認しましょう。四科目が入っていることと、その一冊だけで現在の対策が完結することは同じではありません。

経験別の教材の組み合わせ

同じ試験を受ける場合でも、電気を初めて学ぶ方と、学校や仕事で触れてきた方では、最初に必要な本が変わります。ここでは購入を始めるときの考え方を、三つに分けて紹介します。

初学者は参考書と問題集を併用

電気や電子回路を初めて学ぶ方には、受験級に合う問題集と、無線工学の基礎を説明する参考書の組み合わせをおすすめします。参考書を全部読み終えてから問題を始める必要はなく、一つの分野を読んだら対応する問題を解いてみましょう。

そこで、公式の意味が分からないのか、式の計算ができないのかを分けて考えます。分数、指数、対数などの計算で止まっているなら、無線の参考書を増やすだけでは解決しない場合があります。その計算に必要な数学へ戻る方が近道です。

例えば、解説の最初の式は分かるのに、次の行への変形が分からないなら、その変形だけを紙に書いて確かめます。分からない箇所を一つに絞れば、調べる内容も小さくなりますよ。

電気系経験者は問題集から始める

大学や高専で電気を学んだ方、回路を扱う仕事をしている方は、問題集から始めて必要な参考書を判断する方法が考えられます。すでに理解している分野のテキストを買い直すより、まず試験で何を問われるかを見た方が効率的だからです。

ただし、電気系の経験があるから四科目すべてを知っているとは限りません。回路計算はできても、放送、電波伝搬、法規などに学習経験がないことはあります。問題集を数ページ解いただけで「全部できそう」と判断しないようにしましょう。

四科目それぞれで数問ずつ問題と解説を読み、理解できない科目だけ参考書を追加します。仕事で使っていない分野に時間を配分できると、経験を試験対策にも生かしやすくなります。

再受験では失点原因から選ぶ

一度受験した方は、別の問題集へすぐ買い替える前に、何が原因で点を取れなかったかを振り返ってください。知識が不足していたのか、計算に時間がかかったのか、問題文の条件を読み落としたのかで、必要な対策が変わります。

解説の内容を理解できていなかったなら科目別参考書、同じ問題の答えを覚えてしまったなら未演習の過去問、時間が足りなかったなら本番形式での練習が候補になります。教材を変えることで何を改善したいのか、一言で説明できる状態にしてから買いましょう。

受験する科目が限られる場合も、その科目に必要な説明と演習量を優先します。すでに持っている本を使えるなら、全科目の教材をもう一式そろえる必要はありません。

初学者は基礎参考書と受験級の問題集、電気系経験者は問題集で四科目を確認して不足科目を補い、再受験者は失点原因に応じて教材や練習方法を選ぶ図。

科目ごとに見るテキストの条件

科目別参考書を選ぶ際は、ページ数だけで比較せず、その科目で自分が困っていることに答えてくれるかを見てください。購入前に確かめたい点を、四科目ごとに紹介します。

基礎は途中式と単位を確認する

無線工学の基礎では、計算の途中が自分で追えることを重視しましょう。問題文の値を公式へ入れる前に、どの量を求めているのか、記号が何を表すのかを理解できる説明があると学びやすくなります。

例えば、答えの数字が合わないときも、公式の選択が違う場合と、単位の換算を間違えた場合では直す場所が異なります。解説に単位や途中式があれば、自分の計算と見比べて、どこから違ったかを確かめられます。

試し読みでは、解答だけでなく、あなたが書いた式と照合できそうかも確認してください。「読んだら分かった気がする」から、「説明を閉じても計算できる」へ進める教材が目標です。

工学Aは信号の流れを追う

無線工学Aでは、変調と復調、送信機、受信機など、複数の働きがつながって一つの装置になる分野を学びます。用語の説明に加えて、構成図のどこを信号が通り、各部分で何をしているかが読み取れる本を選びたいところです。

名前だけを覚えても、図の一部を問われると迷うことがあります。参考書を開いたときに、入力、処理、出力の関係を自分の言葉で説明できるか試してみてください。

また、身近な無線機器に詳しいことと、試験に出る方式全体を理解していることは別です。知っている技術ばかりに目を向けず、問題集で説明できなかった方式をテキストで補うと、学習の偏りを減らせます。

工学Bは図と公式を結び付ける

無線工学Bは、アンテナ、給電線、電波伝搬などを扱う科目です。図が多いかどうかだけでなく、図のどの長さや角度が式に対応しているかを確認しましょう。形と数式を別々に覚えると、問題の条件が変わったときに迷いやすくなります。

特に、似た記号が続く説明では、それぞれの意味をすぐ確認できることが大切です。図を見ながら本文と式を行き来しやすい紙面かどうかも、独学では役立つ判断材料になります。

工学Bで止まっている方は、教材の追加だけでなく、無線工学Bの苦手分野を補う勉強法も参考にしてください。どの分野から戻るかを決めると、読み直す範囲を絞れます。

法規は刊行年と更新情報を見る

法規用の教材では、制度や用語の説明に加えて、刊行年と改訂情報を必ず確認したいところです。古い本の文章をそのまま覚えると、その後の法令改正に対応できていない可能性があります。

ただし、新品として販売されている本でも、内容の基準年が新しいとは限りません。「新品か中古か」と「何年の内容か」は別々に確認してください。また、増刷と改訂も同じ意味ではありません。

不一致に気付いた場合は、記憶だけで判断せず、出版社の案内や現行法令へ戻ります。教材の訂正内容は出版社へ、受験案内や出題の取り扱いに関する正確な情報は日本無線協会の公式サイトで確認してください。

無線工学の基礎は途中式と単位、工学Aは信号の流れ、工学Bは図と公式の対応、法規は刊行年と更新情報を確認するという科目別の教材選びを示した図。

購入前に確認したい注意点

教材費を抑えるには、単純に安い本を選ぶだけでなく、買ったあとに使い続けられるかも大切です。版、正誤表、読む環境まで確認すると、買い直しを減らしやすくなります。

中古本は版と正誤表まで確認

中古本は費用を抑える選択肢になりますが、出品タイトルだけで判断しないようにしましょう。同じ書名でも旧版の場合があります。表紙、ISBN、版、刊行年を出版社の情報と照らし合わせると、取り違えを防げます。

また、問題文のすぐ横に正解が書き込まれていると、自力で解く練習がしにくくなります。付属物の有無に加え、書き込みやページの欠損も確認したいところです。安く買えても、演習に使いにくければメリットが小さくなってしまいます。

新品・中古を問わず、購入後は正誤表を見てください。例えば「やさしく学ぶ」の基礎や工学Bには、出版社サイトに対象の刷を示した正誤表があります。手元の本の奥付で刷を確認し、該当する訂正を反映させてから使いましょう。

紙と電子は学習場所で選ぶ

紙の本は、問題と解説のページを行き来したり、ノートと並べて計算したりしやすいのが利点です。電子書籍は持ち運ぶ荷物を減らせますが、数式や図を小さな画面で読むと、拡大と移動が多くなる場合があります。

通勤中に読むのか、自宅の机で計算するのかを考えて選びましょう。スマートフォン中心なら、試し読みで添字や回路図を無理なく読めるか確認してください。文字中心の本と、図や数式中心の本では読みやすさが違います。

なお、電子書籍とウェブ問題集アプリは同じ商品とは限りません。利用できる端末、閲覧方法、利用条件などを購入先で確認し、「電子版だから紙と同じように使える」と決めつけないことが大切です。

教材費は必要な一冊ずつ増やす

一陸技で合格精選360題と「やさしく学ぶ 無線工学の基礎」を選ぶ場合、確認時点の紙書籍の税込定価合計は6,490円です。年度版の過去問解説集と同じ基礎テキストなら6,820円になります。いずれも送料や販売店の割引を含まない組み合わせ例です。

ここから工学A・B・法規の参考書をすべて追加する必要があるかは、問題集を使ってから判断しても遅くありません。解説を理解できる科目なら、今ある教材で進められる可能性があります。

追加購入の判断は「何が分からないか」で決める

「工学Bの給電線の説明を読みたい」のように、使う目的が具体的なら追加する価値があります。「何となく不安だから、もう一冊」なら、先に手元の本の未演習部分を確認してみてください。

教材の追加目的、版や収録範囲などの内容情報、書き込みや欠損などの本の状態、紙と電子の読みやすさを確認し、購入後は対象の刷に合う正誤表を反映する流れ。

選んだ教材を合格につなげる使い方

自分に合う教材を選べたら、参考書を読むことと問題を解くことを行き来して使いましょう。ここでは、独学で理解度を確かめながら進める方法を紹介します。

最初から全ページを理解しようとしない

一周目は、すべてを暗記してから先へ進む必要はありません。まず問題を読み、分からなければ解説を確認し、その説明で不足する部分を参考書へ戻って調べます。理解に時間がかかる問題には印を付け、あとで戻れるようにしておきましょう。

ただし、ほとんどの問題で解説の意味が分からない場合は、先へ進む量を増やすより、基礎を学ぶ時間を増やしてください。逆に、解説を読めば納得できる問題が多いなら、実際に手を動かす回数を増やす方がよいでしょう。

大切なのは、本の進み具合だけを成果にしないこと。「今日は三ページ読んだ」だけでなく、「今日はこの公式を使う理由が分かった」と確認できると、次に学ぶ内容も決めやすくなります。

二周目は解説なしで再現する

解説を読んだ直後に解けても、理解が定着したとは限りません。少し間を空け、答えを見ない状態で解き直してください。途中式を書き、何を求めるためにその式を使ったか説明できるところまで確かめます。

知識問題では、正しい選択肢の番号だけを覚えないことが大切です。誤っている文章はどこが違うのか、正しくするならどう直すのかを考えます。これなら、選択肢の順序や表現が変わったときにも対応しやすくなるでしょう。

ノートには解説を丸ごと写すより、「単位をそろえ忘れた」「問題の条件を読み落とした」など、自分の誤りを短く残す方法をおすすめします。次の演習で同じミスを防ぐための記録にしてください。

最後に公式問題で確認する

日本無線協会の「試験問題と解答」では、陸上無線技術士を含む対象資格の過去一年間の問題と解答が公開されています。市販教材の収録範囲より新しい問題が公開されていれば、仕上げに利用しましょう。

公式資料は、実際の問題文や解答を確認するためのものです。市販の解説付き問題集とは役割が異なり、途中の計算や考え方を学びたいときには別の説明が必要になります。無料だから、あるいは有料だからと分けず、目的に合わせて使うとよいですよ。

仕上げでは、問題集で覚えた設問だけでなく、まだ解いていない試験回に時間を決めて取り組みます。解けない問題が残ったら、知識不足、計算、時間配分のどこに原因があったかを確認し、必要な部分だけ戻りましょう。

公式資料:日本無線協会「試験問題と解答」

問題を解き、解説を確認し、不足する説明を参考書で補い、間を空けて解説なしで解き直す流れと、最後に未演習の公式問題へ時間を決めて取り組む手順。

入手先と解説教材の使い分けは、陸上無線技術士の過去問と解説本の活用方法でも紹介しています。

購入前の疑問を確認する

最後に、本の購入時に迷いやすい点へ答えます。冊数や評判だけで判断せず、あなたが今どこで止まっているかと照らし合わせてみてください。

参考書選びのよくある質問

Q1. 陸上無線技術士は問題集だけで合格できますか?

A. 電気の基礎があり、問題集の解説を理解できる方なら、問題集を中心に合格を目指せます。私も大学で電気系を学んでおり、第3集の合格精選340題一冊を使いました。ただし、初学者にも同じ方法が合うとは限りません。解説の用語や式で止まるなら、基礎用の参考書を併用してください。

Q2. 合格精選と年度版の過去問集は両方必要ですか?

A. 最初から両方を買う必要はありません。選ばれた問題を反復したいなら合格精選、収録された各試験回の問題を広く解きたいなら年度版が候補です。中心となる一冊を使ってから、演習量や収録期間の不足を補う目的で追加しましょう。両方に取り組む時間を確保できるかも大切です。

Q3. 古い参考書や中古本でも勉強できますか?

A. 基本的な理論や計算の学習に使える部分はあります。ただし、現在の出題や法令まで対応しているとは限りません。版・刊行年・正誤表を確認し、直近の公式問題などで補ってください。旧版との差を判断しにくい方は、価格だけで古い教材を選ばない方がよいでしょう。

Q4. 二陸技の勉強に一陸技の本を使えますか?

A. 共通する分野の説明を読む目的では役立つ場合があります。ただし、一陸技用の問題だけで二陸技対策を進めると、必要な学習範囲を判断しにくくなります。参考書には一・二陸技共通教材もありますが、演習の中心は受験する二陸技の問題に合わせてください。

Q5. 四科目のテキストを最初にそろえるべきですか?

A. 必須ではありません。初学者なら基礎用の参考書と問題集から始め、説明が足りない科目を追加する方法があります。すでに基礎を理解している方は問題集からでも構いません。本の冊数を増やすことより、手元の解説を理解して自分で解ける状態にすることを優先しましょう。

まとめ:理解できる解説を選ぼう

陸上無線技術士の参考書は、評判のよい本を集めるより、今の自分に必要な役割で選ぶことが大切です。私は問題集一冊で合格しましたが、その前提には大学で学んだ電気の基礎がありました。

  • 初学者は基礎解説用の参考書と問題集を組み合わせる
  • 電気系経験者は問題集から始め、必要な科目だけ補う
  • 購入前に資格名・版・収録範囲・正誤表を確認する
  • 仕上げには直近の公式問題で理解度を確かめる

これから選ぶなら、まず受験する級の問題と解説を一問読んでみてください。分からないのが用語なのか、公式なのか、計算なのか。それが分かるだけでも、買うべき本はかなり絞れます。

あなたに合う一冊は、読み終えたあとに「なぜこの答えになるのか」を自分で説明できる本です。必要な参考書を組み合わせながら、一問ずつ解ける範囲を広げていきましょう。

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レオ

Wireless Tech Note 運営者 無線技術や通信の仕組みを、できるだけやさしく整理して発信しています。第一級陸上無線技術士・基本情報技術者の知識と、RF設計・EMC実務の経験を活かして記事を作成しています。

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